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脱出の策

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 クロスマウンテンでかつての魔王軍の幹部であるハイ・デュラハンのギガングとの一騎打ちを続けるニラダは補助魔法で強化するが、決定打を与えらないでいた。ギガングもニラダに対して決定打を与えられていないので互角であるとニラダは主張するがその発言をギガングは嘲笑う。

「ふふふ、ハハハハハ!私と貴様が互角とな!そのような戯言をほざくとはな」
「事実、お前も俺に致命傷を負わせてはいない、このまま続けば勝負は分からないぞ」
「いかに貴様が強力な補助魔法、そしてその効力をあげるスキルを有していようと魔法には持続時間がある。それまでに決定打は与えられまい」
「くっ……」

 補助魔法でどうにかギガングとの戦力を拮抗させているが、補助魔法自体には持続時間があり、それまでに決定打は与えられないと豪語されニラダには返す言葉が見つからなかった。

「補助魔法が尽きれば貴様では私にはなすすべはあるまい!」

 ギガングがニラダと舌戦を繰り広げている中、ミヨモ達はどうにかニラダに加勢できないかと試みるがティアに反対されているようでジャンが反発する。

「どういう事だよ!何で俺達もニラダに加勢しちゃいけないんだ!」
「私達全員でかかれば倒せない相手じゃないと思うし、私もニラダ君を助けるべきだと思う」
「2人共落ち着いて、ニラダに加勢する事とニラダを助ける事はまた別に考えるべきだし、私達ではあのギガングの相手は無理って事を言いたいの」
「どういう事?」
「2人の様子を見て気付かなかった?確かにニラダは補助魔法で強化して互角かもしれないけど、それが尽きれば一気にやられるし、それにギガングの方はどことなくまだ余裕を感じるわ」

 ギガングの様子からまだ余裕があると感じたティアはその事をミヨモとジャンに告げ、更にティアはニラダの行動からある点を指摘する。

「ニラダも本当はギガングの底の知れなさを感じているんだけど、私達に意識が向かないようにあえて挑発するように言ってるように感じるわ」
「じゃあどうすんだ!俺達だけでニラダを置いて逃げんのか?」
「いえ、だけど全員が脱出するにはもう1隙必要よ、そしてそれができるかはニラダにかかっている」
「ニラダ君……」

 現時点での自分達ではギガングを打ち倒す事を感じたティアは、ニラダもそう感じている事をミヨモ達に話し、更なる隙ができれば山よりの脱出も全員で可能だと話す。

「ふっ……」
「何がおかしい?恐怖のあまり笑う事しかできなくなったか?」
「確かに今の俺、俺達ではお前を倒すのは無理だが、この場を脱出する方法は1つだけある」

 ニラダが思い浮かんだ脱出の策とは?
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