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パーティーランクを上げろ

悔しくて

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 馬車の配置を巡って、ニラダは自分の意見を主張するが、ニラダ自身の意見は受け入れられず、あくまで食料運搬用の馬車には冒険者を配置せず、5台の馬車で囲みながら進行する事となった。

 その方針に沿い、それぞれのパーティーは自分達用に手配された馬車に乗っていくなか、ジャンがニラダに謝罪をしていた。

「すまねえニラダ、俺が短気を起こさなければ、お前の考えが採用されていたかもしれねえのに、俺のせいでお前の信用まで失わしちまった」
「ジャン、いや、多分ジャンが怒っていなかったとしても俺の意見は採用されていなかったと思う」
「だけど、俺がキレてクエストを放棄しかけた事は確実に他のパーティーからの信用も落ちた。ただでさえ連携が不安だったのにこれじゃあ……」

 ジャンがニラダに自分の行いのせいで他のパーティーの信用を落としたかもしれない事を詫びているとそこにミヨモが話しに加わる。

「でもジャンさん、一番悪いのは約束したのに来なかったパーティーだよ。私達、特にジャンさんのスキルのおかげでアイテムや魔石を取り返したのに、それでお返しの為に約束してくれたのに……」
「お、おいミヨモなにも泣く事はないだろう……」
「だって……悔しいよ、みんなすごく頑張ってパーティーのランクを上げたのに、それなのに、こんな……」

 ミヨモがジャンが怒った事でパーティーの信頼を失った。その事が悔しくて思わず涙を流すとティアがミヨモに声をかける。

「ミヨモ、悔しいのは私だって同じよ」
「ティアさん……」
「私もパーティーランクが上がった事は嬉しかったわ。でもジャンの事は理由をつけただけで、あの人達にとって私達なんてまだまだと思っている事を遠回しに伝えたかったのかも」
「そんな、それじゃあ最初からニラダ君の意見を聞くつもりもなかったの?」

 ティアがミヨモに対し、リンダとロナウドはまだ自分達を認めていないんじゃないかと話し、それにミヨモが落胆していると再び、ニラダが口を開く。

「みんな、俺はランクを上げれば少しは認められてくれていると思っていたが、どうやら彼らにとっては俺達はまだそれほどではなかったんだ、完全に見込み違いだ。ごめん」
「ニラダ君が謝る事じゃないよ、私達のすごさを見せる事ができれば……」
「そうだ、彼らには直に俺達の実力を示す必要がこのクエストである、もちろん彼らと争わないでな」

 まだまだ自分達が熟練の冒険者には認められていない事を痛感するニラダ達であったが、改めてこのクエストで実力を示す事を強く決意したのであった。
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