上 下
14 / 192
冒険者デビュー

魔法使いミヨモ

しおりを挟む
 ニラダが次に挑もうとしている『ダンジョン探索』は今のニラダがソロでは挑めない為、合同クエストして希望者を募集し、名乗り出たのはミヨモという名の魔法使いの少女であった。

 そしてギルドの1室を借りてニラダはミヨモとの面談に臨んだ。

 面談前にミヨモがニラダに魔法使いでありながら剣を装備している事の疑問をぶつけられたので、それに対して返答をする。

「俺は自分に補助魔法をかけて戦っているんだ」
「噂には聞いていたけど、確か補助魔法しか使えないのよね、でもそれと剣を装備する理由がピンと来ないんだけど」

 ミヨモの発言を受け、ニラダは最初のクエストでの補助魔法の効力が想像以上にあった事に驚愕し、スキル鑑定してもらったところ、自分がユニークスキル超自力強化者ハイ・セルフ・バッファーを所持している事、そして少しでも肉体的な負担を減らす為に武器を持つ事を決めたと話した。

「そうなの!魔法使いだけど前衛として頑張る事に決めたのね」
「いや、クエストで自分の名を上げて前衛の人がいるパーティーに加入できるのなら、ちゃんと後衛に徹するよ」
「もったいないよ、自分の補助魔法でグーンと強くなるなら、あなたは前衛として頑張る方がいいと思うな」
「剣術スキルや槍術スキルを持っているわけじゃないし、それに相当するスキルも身に付く可能性は低いだろうから、きっと前衛としてはすぐに頭打ちになるよ」

 肉体を鍛えたとはいえ、魔法使いとして育った自分では前衛に適したスキルは身に付かないと考えており、すぐに補助魔法込みでも本職に及ばなくなると感じていた事をミヨモに話した。

「熟練の冒険者の人って、すごいスキルを身につけているから、やっぱり魔法使いが前衛を続けるのは無理があるよね、ごめんね変な事言って」
「いや、大丈夫だよ。それより君の事だが」
「あ、そっか。私は魔法使いのミヨモ。つい最近この街にやって来て冒険者登録したの」
「君も新人か、クエストの経験は?」

 ミヨモは最近冒険者登録したばかりであり、クエストの経験をニラダが尋ねる。

「それがまだなの、パーティーにもなかなか加入できなくて」
「魔法使いなら君の得意魔法は?」
「私は攻撃魔法が得意というより、それしか使えないの」
「攻撃魔法しか使えない?補助魔法は?」

 ミヨモは攻撃魔法しか使えないと明かし、更にニラダは質問をする。

「全然よ、それも理由でパーティー加入を断られているの」

 補助魔法しか使えない魔法使いと攻撃魔法しか使えない魔法使い、この2人の合同クエストの行方は?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

隠れジョブ【自然の支配者】で脱ボッチな異世界生活

破滅
ファンタジー
総合ランキング3位 ファンタジー2位 HOT1位になりました! そして、お気に入りが4000を突破致しました! 表紙を書いてくれた方ぴっぴさん↓ https://touch.pixiv.net/member.php?id=1922055 みなさんはボッチの辛さを知っているだろうか、ボッチとは友達のいない社会的に地位の低い存在のことである。 そう、この物語の主人公 神崎 翔は高校生ボッチである。 そんなボッチでクラスに居場所のない主人公はある日「はぁ、こんな毎日ならいっその事異世界にいってしまいたい」と思ったことがキッカケで異世界にクラス転移してしまうのだが…そこで自分に与えられたジョブは【自然の支配者】というものでとてつもないチートだった。 そしてそんなボッチだった主人公の改生活が始まる! おまけと設定についてはときどき更新するのでたまにチェックしてみてください!

処理中です...