理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

果たす役割

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 過去にこの世界に転移していた日本人は治癒魔法に目覚め、それを城内の者達に教えていた。そして治癒士の職業を考案していたが、実現する前に転移で元の世界に帰っていたのだ。

 この話を聞いて俺も元の世界に帰れる可能性があると思った俺は王様に尋ねた。

「あの、その人はどうやって帰ったかは分かりますか?もしかしたら自分もその方法で帰る事ができるかもしれないので」
「最後のページを読んでみるがよい、答えではないが、ヒントみたいなのが書かれてある」

 最後のページ、そう言われて俺は日記の最後のページを読むと、そこには衝撃の事実が書かれている。

『あなたはこの世界での役割を果たしました、あと24時間で元の世界に転移します、ってスマホには書いてあるけどよ、まだ俺がやんなくちゃいけない事ってあるような気がするんだけどな。でもまあ俺を転移させた神様だかが決めたし仕方ないな、しかしなあ、ここで俺10年くらい過ごしたし、元の世界に戻ったら浦島太郎みたいになってるかもな。なんかそこだけ不安だな』

 役割を果たしたら元の世界に転移?条件が分かりづらいうえに突如訪れる可能性もあるのか。いや、俺にも24時間猶予があるとは限らないが、しかしこの転移者は相当昔に転移しているはずなのに使っている機種がスマホって事は俺と過ごした時代自体は近いのか?

 だけど随分と転移した時代は違うな。

「条件は分からぬが、そなたが転移してきたのはこの世界における何かしらの役割を果たす為ではないのか?」
「きっとそうだと思います、ですが多分それはリハビリを根付かせる事だとは思いますが、多分それだけではありません」
「まあ、それは己の仕事を全うしている内に条件を満たすかもしれんし、余としてはそなたが望むなら永住しても構わんと思ってはいるがな」
「ありがとうございます」

 元の世界には戻りたい、それは確かに思っている。だけどここでの生活だって悪くないとも思っている。だが神様かなにか分からないが決まった条件を満たせば俺は有無を言わせず元の世界に転移するんだ。

 なんとなくだが、少しづつその条件を満たしつつあるような気もする。

「さて、キッコの街に療養施設を建設する必要があるとゴルより訴えがあった話だが……」
「はい」
「まずは新たな開発用地の確保、そして開発に必要な予算と人員を考えなくてはいかんから、すぐには返事はできん」
「そうですか、ですが真剣に考えてくださりありがとうございます」

 少なくとも今すぐ俺が帰る事はなさそうだ、療養施設の建設がまず進むかどうかだな。
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