244 / 273
異世界で仲間が増えました
ゴルからの知らせ
しおりを挟む
俺や、俺の周りの人達が診療所の事で慌ただしい日々が続く中のある日、その日の診療も終わり、ミミとミーザが退勤していく。
「それじゃあお疲れ様でした」
「お疲れ様、また明日ね」
ミミとミーザが退勤して診療所の片づけをしようとすると扉をノックする音がするので、俺は扉を開いた瞬間声を発する。
「すいません、もう今日の診療時間は……」
「申し訳ない、夜分失礼します」
「ゴルさん!どうしたんですか?いや、とりあえず中へどうぞ」
「失礼」
ゴルさんがわざわざ診療時刻終了後に診療所へやって来たことから何か話があると思い、まずは診察室まで案内し、椅子に座ってもらう。
「まあ、どうぞお座りください」
「失礼」
「わざわざこんな時間にお越しになるという事は何か俺に話があるんですか?」
「そうですね、まずはお聞きください」
そう言ってゴルさんが話した事は俺にとってはかなりの衝撃のものであった。
「療養部屋の建設の件以降、師や私は領主様に療養専門の施設の必要がこの街にもある事を進言してまいりました」
「ありがとうございます、それでどうなったんですか?」
「それらは教会が担っていた役割であり、この国はマカマカ教団の力が強く、その手の施設の建設は領主様の一存ではお決めになられないので、私が王都に使者として国王陛下に謁見してまいりました」
「え⁉ゴルさん、王様に会って来たんですか?」
すごいな師匠のザリアンさんが王都で名を馳せた治癒士とはいえ、その弟子のゴルさんも王様と謁見ができるなんて。
「そこで、療養専門の施設の必要性や、治癒の関わる者へのリハビリ教育の必要性、そしてユーイチ殿やユーイチ殿に協力している方々の事もお話させていただきました」
「そこまでしてくれたんですね、とてもありがたいんですが、王様は何かおっしゃっていましたか?」
「国王陛下はリハビリやユーイチ殿のお考えや発想に大層、ご興味を持たれ、ユーイチ殿のお話を是非聞きたいとおっしゃっておりました」
ウソだろ!王様が俺の話を聞きたいなんて!っていうかそれ領主様より緊張するな!やべえよ!大丈夫かな。
「ですが、この街の住民の健康に貢献していらっしゃるとはいえ、平民でしかも異国出身のユーイチ殿を王宮に招くのは難しいともおっしゃっていました」
「やっぱりそうですよね」
「ですが心配はいりませぬ陛下はお忍びでこの街にいらっしゃるそうなので、我らが陛下とユーイチ殿との非公式の会談の場を設けましょう、日程が決まればお知らせしますのでご内密に、もちろんミミ殿達にも」
「は、はい……」
話が大きくなってきたな。でもこれは新しいチャンスと思って臨まないとな。
「それじゃあお疲れ様でした」
「お疲れ様、また明日ね」
ミミとミーザが退勤して診療所の片づけをしようとすると扉をノックする音がするので、俺は扉を開いた瞬間声を発する。
「すいません、もう今日の診療時間は……」
「申し訳ない、夜分失礼します」
「ゴルさん!どうしたんですか?いや、とりあえず中へどうぞ」
「失礼」
ゴルさんがわざわざ診療時刻終了後に診療所へやって来たことから何か話があると思い、まずは診察室まで案内し、椅子に座ってもらう。
「まあ、どうぞお座りください」
「失礼」
「わざわざこんな時間にお越しになるという事は何か俺に話があるんですか?」
「そうですね、まずはお聞きください」
そう言ってゴルさんが話した事は俺にとってはかなりの衝撃のものであった。
「療養部屋の建設の件以降、師や私は領主様に療養専門の施設の必要がこの街にもある事を進言してまいりました」
「ありがとうございます、それでどうなったんですか?」
「それらは教会が担っていた役割であり、この国はマカマカ教団の力が強く、その手の施設の建設は領主様の一存ではお決めになられないので、私が王都に使者として国王陛下に謁見してまいりました」
「え⁉ゴルさん、王様に会って来たんですか?」
すごいな師匠のザリアンさんが王都で名を馳せた治癒士とはいえ、その弟子のゴルさんも王様と謁見ができるなんて。
「そこで、療養専門の施設の必要性や、治癒の関わる者へのリハビリ教育の必要性、そしてユーイチ殿やユーイチ殿に協力している方々の事もお話させていただきました」
「そこまでしてくれたんですね、とてもありがたいんですが、王様は何かおっしゃっていましたか?」
「国王陛下はリハビリやユーイチ殿のお考えや発想に大層、ご興味を持たれ、ユーイチ殿のお話を是非聞きたいとおっしゃっておりました」
ウソだろ!王様が俺の話を聞きたいなんて!っていうかそれ領主様より緊張するな!やべえよ!大丈夫かな。
「ですが、この街の住民の健康に貢献していらっしゃるとはいえ、平民でしかも異国出身のユーイチ殿を王宮に招くのは難しいともおっしゃっていました」
「やっぱりそうですよね」
「ですが心配はいりませぬ陛下はお忍びでこの街にいらっしゃるそうなので、我らが陛下とユーイチ殿との非公式の会談の場を設けましょう、日程が決まればお知らせしますのでご内密に、もちろんミミ殿達にも」
「は、はい……」
話が大きくなってきたな。でもこれは新しいチャンスと思って臨まないとな。
0
お気に入りに追加
950
あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたぼっちはフェードアウトして農村に住み着く〜農耕神の手は救世主だった件〜
ルーシャオ
ファンタジー
林間学校の最中突然異世界に召喚された中学生の少年少女三十二人。沼間カツキもその一人だが、自分に与えられた祝福がまるで非戦闘職だと分かるとすみやかにフェードアウトした。『農耕神の手』でどうやって魔王を倒せと言うのか、クラスメイトの士気を挫く前に兵士の手引きで抜け出し、農村に匿われることに。
ところが、異世界について知っていくうちに、カツキは『農耕神の手』の力で目に見えない危機を発見して、対処せざるを得ないことに。一方でクラスメイトたちは意気揚々と魔王討伐に向かっていた。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる