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異世界で仲間が増えました

たまにはね

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 本日より俺達の診療所に仮設ではあるが療養部屋の建設が開始され、朝から人夫さん達が精力的に働いてくれている。

 昼食休憩の時間に合わせてメルが人夫さん達の為に弁当を持ってきてくれて人夫さん達はありがたくいただいている。

 そしてメルは俺達の分も弁当があると言ったので、診療所内に誘導する。

「それならミミとミーザにも食べてもらう為に中に入ってくれ」
「うん」

 メルを診療所内のダイニングルーム内に案内し、到着するとメルからミミ達に声をかける。

「こんにちは、ミミちゃん、ミーザちゃん」
「メルさん⁉」
「どうしたの?」
「実はだなメルが人夫さん達に弁当を持ってきてくれて、俺達の分も作ってくれたんだ」

 俺がそう言うと俺達の分の弁当を配ってくれるがミミがある事に気づいて、その事をメルに指摘する。

「あれ、メルさんの分はないんですか?」
「だって、私配ったら帰ろうと思っていたし」
「せっかくだし、食べていけばいい。今日は俺がメルに手料理をふるまうぞ」
「そうね、たまには他の人が作った料理も食べてみようかな」

 メルほど美味しいものは作れないが、いつもごちそうになっているし、たまにはふるまわないとな。

「じゃあ少し待ってもらってもいいか?」
「うん」

 メルの言葉を聞いて、調理を開始する。まさか今日メルがお弁当を持ってきてくれるとは思っていなかったから昼は軽く済ませようとスープとサラダ、それからユーリ君のパン屋で買ってきたパンを食べる予定だったが、せっかくだしもう一品追加するか。

 本当は今日の夕飯で食べようと思ったが、これを使った料理を出そう。

 そう考えている内に俺からメルへの料理が完成し、メルに対して提供する。

「メル、これが俺からの料理だ、召し上がれ」
「美味しそうね、ん?この鶏肉にかかっているソースってユーイチ君が作ったの?」
「ああ、ダンカンさんの果物屋で少し形が崩れたオレンジを安く譲ってもらって作った」
「そうなの、どれどれ。うん、いいと思うわ」

 メルがこのソースを褒めてくれたか、料理を生業にしているメルから褒められるとより嬉しいもんだな。

「このパンも美味しいわね。確か前の食の催し物に参加しているお店にパン屋さんがあったけど、もしかして……」
「そうだ、ユーリ君って子がそこで働いているし、メルもたまには行ってやってくれ」
「ユーイチ君と仲が良い子なら一度私も会ってみようかな、それとこのソースのレシピ良かったら教えてもらってもいい」
「ああ、いいぞ」

 メルよりソースのレシピを教えて欲しいと懇願されるくらい、このオレンジソースはいいんだな。
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