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異世界で仲間が増えました

新たな課題

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 とりあえず5日連続の往診をひとまず終え、今後は週に何回かにとどめる事とし、そして肺に良い食材のリストを提供し今後は相談に応じるという形とし、リハビリ中の食事メニューの試験運用をひとまず終えた。

 そして診療所に戻り、すぐに午後の診療を開始し、午後の診療を終えると早速今日の事をミミとミーザに話した。

「今日でひとまず食事メニューの試験運用は終わりだけど、2人共満足していたな」
「そうですか、それは良かったですね」
「それで、これからも続けられそうなの?」
「今回の件をまずアレフさんに報告して正式運用できるかどうかの判断をあおるのと、それから今日の事は明日メルにも報告に行くよ」

 アレフさんに詰所まで報告に行き、その足でメルの店まで行くという考えだが、これならギリギリ午後の診療には間に合いそうだな。

「そう、続けられるといいよね、それじゃあ」
「私もこれで失礼します、おやすみなさい」
「ああ、2人共お疲れさん」

 今回の件で俺は手応えもあったが同時に課題もいくつか見つけた。前々から思っていた事だが、訪問介護の人員をもう少し確保できて、なおかつ入院施設の建設、これらを実現しない限り活動はちまちましたものにしかならないな。

 アレフさんに相談したいが現状の予算だと却下される可能性も高いし、ゴルさんを通してザリアンさんに俺の考えを伝えるのも手だな、こうなったら得た縁はとことん活用しないとな。

 そう考え俺は寝床についた。

 翌日、午前の診療を終え、俺はまず詰所に向かい、アレフさんに昨日までの往診の出来事を報告した。

「そうか、リハビリ用の食事メニューは好評で、この先もリハビリに役立つよう食材のリストは提供したのだな」
「はい、それでアレフさん、今後診療所の事業として正式運用の方は……」
「さすがに1回の成功ではまだ診療所主導での正式運用は認めるわけにはいかないな」
「そうですか」

 予想はしてたがやはりダメか、少しうなだれている俺にアレフさんが前向きな言葉をかけてくれた。

「落ち込む必要はない、食が絡むことであるし、もう何回か我々の方で家庭を紹介するし、そこで何度も好評であれば診療所主導で動いてもらえばよい」
「じゃあ、まだこれから次第って事ですね」
「そういう事だ」
「ありがとうございます、これで失礼します」

 どうやらアレフさんはこの食事提供の往診に関しては俺達がある程度実績を重ねれば診療所主導で動く事は認めてくれるんだな。

 そう思うと、まだ時間はかかるが頑張らないとな。さあ、次はメルへの報告だ。
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