理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

協力の意味

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メルがお父さんの出来事を通して自分の気持ちを俺達に伝えてくれる、そして、まだメルの話は尽きないでいた。

「ユーイチ君から聞いたんだけど、今のあなた達の目標がこの街の人達の健康を守る事だって」
「はい、私達は1人でも多くの方に元気でいてもらえるよう力を尽くしています」
「あなた達を見ているとご飯を美味しく食べられるのもきっと、元気で健康だからだと思ったの。改めて私にもみんなのお手伝いをさせて」
「メルさん、はい、私は協力してくれてとても嬉しいです」

 メルが改めて以前俺がして懇願に対してはっきりと自分も手伝わしてほしいとミミ達に告げると、また立ち上がり、厨房に戻るそぶりを見せる。

「ありがとう、それじゃあ料理の続きをしてくるからもう少し待っててね」

 メルが料理の続きをする為に厨房に戻っていくとミミが俺に声をかける。

「ユーイチ様、メルさんがとても私達のする事に協力的でとても嬉しいです」
「そうだな」
「あのですね、今だから話すんですが、本当はキッコでの活動ってとっても不安だったんです」
「そうだったのか?」

 今になってミミが本当はキッコでの活動がとても不安であったと打ち明け、更にその詳細を語ってくれた。

「習わしで王都より離れた地で聖女として人々のケガや病気を取り除く事が聖女見習いへの義務だったんですが、キッコの街もコーロ地方も私にとっては縁もゆかりもなかったから、とても不安でした」
「そうだったのか、まあ修業とはいえ生まれ育ったところを離れるわけだからな」
「ですが、ユーイチ様と一緒に診療所をやって、一緒にお仕事をする仲間ができて少しづつ不安は解消されていきました」

 ミミも修業とはいえ、聖女見習いとして1人で知らぬ地に来たのは不安だったが、それでも俺達と一緒に診療所をする事で不安は解消されていったのか。

「だからきっとメルさんも今私達と協力できるのがとても嬉しいのがすごく伝わりました、心なしか料理も少しはりきっているように見えます」
「そうだな、俺にもそう見える」
「誰かと協力するというのはただ力を貸すだけじゃなくて自分の役割にも全力で取り組むことそれが大事かなと感じました。だからユーイチ様お願いがあります」
「ミミ?」

 そう言ってミミは椅子から立ち上がり、頭を下げて俺にある懇願をする。

「今日、明日いきなりというわけではないんですが、時々は私に魔法修行の為に診療所のお仕事をお休みする許可をください!どうかお願いします!」

 ここまでミミが強くお願いするのは初めてだな。もちろん答えは決まっている。
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