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異世界で仲間が増えました

シンプルな挨拶

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 メルのお店を訪れ、俺のプレゼン結果を報告するとメルも喜んでくれて、料理の仕上げをし、大きなチキンローストが俺達のテーブルに置かれた。

 料理をメルがテーブルに置くと、なんとメルが乾杯の挨拶をしてくると申し出てくれた。

 なんか言いたい事があるのかなと思ったので、俺も任せる事を告げた。

「まあ、それなら任せたよ」
「ありがとう、そうだ飲み物をまだ出していなかったから用意するわね」

 そう言って、メルは一旦奥に引っ込んで飲み物を持ってきて、俺達にまず確認をする。

「えっと、ユーイチ君とギベルト君はお酒を飲んで、ミミちゃんとミーザちゃんは飲まないのよね?」
「そうだな、ん?メル、アイスティーをグラスに注いでいるけど酒は飲まないのか?」
「私はまだ、みんなに料理を用意しなくちゃいけないからね、さ、そろそろ乾杯しましょ」

 そう言うとメルは一瞬息をのみこんで、乾杯の挨拶を開始する。

「ええっと、まずはユーイチ・ミヤシタ様とミヤシタ・リハビリ・クリニックの皆様、新しいお仕事おめでとうございます。そして私もその仲間に入れてくださりありがとうございます。乾杯!」
「かんぱーい!」

 おお、シンプルな挨拶だが的確に伝えたい事だけを伝えている。

 メルの挨拶に感心しながらも俺達も互いに乾杯してまずは飲み物を飲むと早速ギベルトが声をあげる。

「はーーー!やっぱり今日はめでてえし酒がうめえな!」
「ギベルトならいつ飲んでも美味しいんでしょ」
「何言ってんだミーザ、酒ってのはな気分次第で楽しみ方が変わるもんなんだぜ」
「そういうもんなのかなあ」

 まあギベルトの言うように酒の楽しみ方は気分次第っていうのは少し分かるな。今日のようにおめでたい事があれば味は美味しく感じるし。

 嫌な事があると飲んで酔って気分を流すというやり方もある。

 まあ、いずれにしても身体の事を考えたらほどほどがいいんだけどな。かくいう俺も酒の失敗でこの世界に転移してきたからあまり偉そうには言えないんだけどな。

 いろいろと考えているとミミが俺に声をかけてきた。

「ユーイチ様、改めておめでとうございます。メルさんも嬉しそうでしたね」
「ああ、メルは料理を提供する事で人を喜ばせたいとも話していたからな」
「リハビリ用のメニューを作るのもメルさんにとってはお店をやるのと意味は変わらないという事ですか?」
「まあ、それは本人に聞いてみるといいさ、今は料理が十分あるしメルもテーブルに呼んでみるか」

 ここはメルの店だけど、一度中断してゆっくり話すのもいいな。今日の俺達はお客さんというよりは新しい仲間としてここに来ているからな。
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