理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

メルへのプレゼン

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 ミミ達にリハビリ中の食事メニューの一例を見てもらい、サンプルメニューをメルさんに作ってもらおうと打ち明けてからはや数日が経ち、メニューの一覧と、事業計画用のプレゼン資料が完成し、いつもならばまず詰所でアレフさんに承認をもらうのだが、今回はその前にメルさんに見てもらおうと思っている。

 午前の診療が終わり、昼食を終えてから資料のチェックをしてから俺はミミとミーザに声をかける。

「それじゃあ行ってくる」
「お気をつけて、もしお話が長引いたら治療だけでも受け付けてしておきますから」
「まあ、そうならないようには気をつけるよ」
「でもさ、店が混んでいたりしたらユーイチが気をつけても難しいんじゃないの?」

 ミーザが店の混雑具合を心配するが、俺が何故この時間に行くかを説明する。

「今から出発すればメルさんの店も一旦休憩して夕方あたりから営業を再開する事はすでに下調べ済みだから大丈夫だ」
「そうなんだ、うちの診療所と同じだね」

 厳密にはうちの診療所でいう午前の部が終わるのが少し遅く、どうも夜の営業には酒も出しているようだし。たまにはギベルトと飲みに行こうかな。

 まあ、まずは今日のプレゼンを成功させてからだけどな。

 診療所を出て、メルさんの店に向かい、到着するとちょうど前半の営業時間が終了して休憩に入っていそうな時間だった。

 話すなら今だな。そう考えながら俺はメルさんのお店の扉を開けて挨拶をする。

「こんにちは、お邪魔します」
「すいません、ただいま営業時間外なのでまた夕方頃に……あ、ユーイチさん、どうしたの?」
「突然すいません、もちろんこの時間が営業時間外なのは分かっています」
「それじゃあ何しに来たの?」

 メルさんの疑問に俺は間髪入れずプレゼン資料をバッグから取り出し、用件を話す。

「まずはこれを見てもらっていいですか?」
「何これ?あ、料理のレシピが書いてある。これもあの鉄の板で調べたの?」
「はい」
「それから……リハビリ中の食事メニュー?もしかしてこれって……」

 メルさんが言おうとしたことを察し、先んじて発言し、さらにメルさんにもお願いをする。

「はい、これから始めようと思っています。それで、メルさんにサンプルメニューを作ってもらいたいんです」
「私に⁉」
「はい、もちろんお店の営業に支障が出ない範囲で大丈夫ですし、あくまで自分からのお願いにすぎませんから」
「……、まず、どうして私にお願いしようと思ったか聞いてもいいかな?」

 メルさんなら適任だと思った理由、それをしっかり話したうえで返答を聞こう。
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