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異世界で仲間が増えました

料理の作り手

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 とりあえず、リハビリ中の食事メニューを途中までだが作ってみて、みんなから反応をもらったが、もう少しいろいろ聞いてみるか。

「まだ途中なうえにあくまでサンプルメニューとして作ってみたんだが、どう思う?」
「そうですね、この間の催し物メニューもそうですが、食べやすい工夫をされていると思いますよ」
「実はさあたし、この間の催し物のメニューの料理をおっ母と一緒に作って食べたらおっ母も美味しいって言ってたし、いいと思うよ」
「ああ、俺も食ってみたが、いいんじゃねえのか」

 みんなからの評価は結構いい感じだ。そう思っているとミミから今度は疑問がぶつけられる。

「ですがユーイチ様、リハビリを受ける方が食べたくないとおっしゃることもあると思うのですが」
「これはあくまで一度勧めてみて、サンプルを提供して試食してもらって決めてもらう方法をとろうと思っている」
「だけどさ、ずっと同じメニューじゃ飽きるんじゃないかな?」
「その点についても考えている。とりあえず5日単位で献立を提供してみる。もちろん食べる事が難しいならその都度言ってもらえれば対応する」

 俺がそう言うと、ギベルトからさらに別の疑問がぶつけられる。

「なあ、ユーイチ、お前の考えはいいと思うけどよ、俺はもちろん、お前やミミ達だって現状の仕事で手一杯だろう。そのうえリハビリ用の料理を作るなんて現実的じゃないだろう」
「とりあえず、メニューの一例と、事業計画としてのプレゼン資料が完成したらアレフさんに見せる前にメルさんに見せてサンプルメニューだけでも作れないかお願いしてみようと思う」
「何だって?あの料理人に頼むのか!」
「そうだ」

 俺がメルさんにプレゼン資料を見てもらったうえで、サンプルメニューの作成のお願いをすると言うと、ミミが俺に対して理由を尋ねる。

「ユーイチ様、何故そのようにしようかと思ったか、聞いてもよろしいですか?」
「もちろんだ、まず俺が提示したレシピを使わずに、過去の経験から野菜を美味しく料理した点が1つ」
「他には?」
「みんなも聞いていたと思うが、まず食べてもらえなくちゃ意味がない。俺もそう思っていたが俺以上にそこを理解してそうな点かな」

 その話をするとミーザも納得しうなづいた。

「そうだよね、食べてもらう事って大事だもんね、だって食べないと生きてはいけないじゃん」
「ミーザの言うように食べないと生きてはいけない、ゴルさんの話にもあったが、飢饉があると食事そのものが不足して栄養失調、最悪餓死もありえる。だけど、これはあくまで生き死にの話で、メルさんは好き嫌いへのアプローチの方法の話をしているんだ」

 どう食べてもらうかを意識する事はとても大事だ。そこをうまく共有できればな。
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