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異世界で仲間が増えました

いざ審査へ

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 診療所の前で今日のメルさんの料理を審査するメンバーが集結するのを待っているとまず、ミランダさんとリンちゃんの親子がやって来て、続けて、ミーザ、そしてソフィアさんとポーラさん、それから俺は初対面だが弟のトム君も一緒だ。

「おはようございます、皆様。それからご紹介します、弟のトムです。ほら、トム、皆様に挨拶しなさい」
「うん、初めまして。トムと言います。姉がいつもお世話になっています」

 お姉さんに促されたがしっかりと挨拶したし、しつけはしっかりしているようだ。

 今度はソフィアさんがポーラさんと一緒にミランダさんにリンちゃんの事で話をしている。

「それでは娘さんはこちらのポーラさんがみていますので、どうかご安心ください」
「まあ、わざわざありがとうございます。ポーラさん、娘をお願いしますね」
「ええ、それにトム坊ちゃんもいらっしゃいますし、退屈はしないと思いますよ」

 大人が大人同士で話していると、子供は子供同士で会話を始めていた。

「君がリンちゃん、僕はトムって言うんだ。今日はよろしくね」
「うん、あのね、ママから聞いたんだけど、トム君は学校行ってるんだよね?そのお話聞かせて」
「いいよ、リンちゃんも大きくなったら行くの?」
「うん、だからいっぱい聞かせて」

 大人と子供、それぞれで話がまとまった頃にようやく、ギベルトも診療所へとやって来た。

「あ、もしかして俺が最後か?」
「そうだよ、それに今、ミランダさんの娘さんをポーラさんがみる話しもまとまったところだ」
「じゃあ、もうあとは審査に行くだけだな」
「そういう事だ、ソフィアさん、そろそろメルさんのお店に向かいましょうか」

 俺がソフィアさんにメルさんのお店に行く事を促すとソフィアさんは了承し、その場にいる全員に呼びかける。

「これで皆様がお揃いになったので、そろそろ参りましょうか。ポーラさんあとはお願いね」
「はい、お任せください」
「ポーラさん、これがうちの鍵なのでお預けしておきますね」
「はい、責任を持ってお預かりします。それじゃあトム坊ちゃん、リンちゃん、行きましょうか」
「はーーーい!」

 ポーラさんの呼びかけにトム君とリンちゃんは、ミランダさんの家に行く。今日は果物屋も休みにして、ダンカンさんは商品の調達に出ているから、リンちゃんをみてくれる人が必要になったわけだ。

「じゃあ、みんな、メルさんの店に行くぞ」

 俺が呼びかけると残りのメンバーでメルさんのお店に向かっていく。さあ、メルさんはどんな料理を俺達に出すのか?
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