理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

子を持つ親として

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 ダンカンさんの果物屋に行き、俺はそこでダンカンさんの奥さんであるミランダさんにメルさんの考案メニューを審査する為の審査員の1人として加わって欲しいとお願いしており、ミランダさんが少し考えているので、返事を待っている。

 考えがまとまったのかミランダさんが俺に対して返答をする。

「ミヤシタさん、その人は自分で考えたいって言ったからこういう形で審査になって、1人は子を持つ親が加わる事になったのよね?」
「はい、そうですが」
「ミヤシタさんはリハビリとかもそうだけど、人の身体にとても詳しいし、ミヤシタさんのおかげでうちの主人も果物屋や材料調達ができるようになったし、とても感謝しているわ」
「あ、それはどうも……」

 突如、急にダンカンさんの後遺症をスキルで取り除いた事に対する感謝の言葉を言ってきたので、一瞬俺は戸惑ったが、ミランダさんは更に発言を続ける。

「それにミヤシタさんのおかげでずっとおばあちゃんのお世話をしていたユーリ君は働きに出られるようになったし、ギベルトさんだって鍛冶師に復帰できたから、私はやっぱり人の身体に詳しいミヤシタさんの考えたメニューを催し物に出してほしいと思うの」
「ミランダさん……」
「でも、その人がそこまで自分の考えを主張するなら私は子を持つ親として本当にそのメニューが子供の事を考えているかどうか見極めないといけないと思ったわ。だから主人にも1度話すけど、審査員は受ける方向で考えるわ」
「本当ですか、ありがとうございます」

 俺がミランダさんにお礼の言葉を言うと、ミランダさんも笑顔で返答をする。

「いいえ、それじゃあミヤシタさんも大変だけど頑張ってね」
「はい、それじゃあ失礼しました」

 そう言いながら俺はそのまま診療所に戻り、午後からの診療に臨んだ。

 そして翌日、1日の診療が終わり、そろそろ閉めようかと思っていると扉を開ける音がし、俺は様子を見に行った。

「ミランダさん、こんばんは。どうしたんですか?」
「ミヤシタさん、主人にもあれから話して審査員受けてもいい事になったわ」
「そうですか、ありがとうございます!」
「どういたしまして、またいつ行くかを教えてね」

 それだけ言って、ミランダさんは帰っていき、ミランダさんが帰ったのを確認するとミミが俺に声をかける。

「良かったですね、ユーイチ様」
「ああ、とりあえず明日は診療所が休みだし、ソフィアさんと、メルさんにも審査の事を伝えに行かないとな」

 メルさんにとっては色々変わって大変だろうが、自分で言いだした事でもあるからな。
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