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異世界で仲間が増えました

料理人のプライド

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 メルさんの催し物には自分の考えたメニューを出させて欲しいという案に俺はメルさんの料理を味だけでなく今回の催し物の趣旨に沿っているかを審査すると告げ、メルさんも審査を受ける事に了承して、とりあえずメルさんは診療所をあとにした。

 その翌日、俺は午前の診療が終わり、詰所を訪れソフィアさんにメルさんに提案した審査の話をし、ソフィアさんにも審査に加わってくれるよか尋ねた。

「どうですかソフィアさん?こういう形をとりたいと思っているのですが」
「ミヤシタ様、他のお店の店主の方々はミヤシタ様の提示するレシピでお作りになる事を了承しているのに、審査という条件付きとはいえ、例外を認めるのはいかがなものかとアレフ様はおっしゃると思います」
「そうですか、すいません。それなら俺からメルさんにお断りをしておきます」

 メルさんには悪いが、予算を考えたり、人員配置をしてくれる以上、アレフさんやソフィアさんの意向を無視するわけにはいかないからな。

 参加はしてほしいからせめてもう1度だけ、俺の提示したレシピで作ってもらうよう交渉してみるか。

「お待ちください、ちょっと私からもよろしいですか?」
「どうしました?」
「実は一度、あのメルさんが詰所に今回の催し物の件でお話に来たんです」
「その話なら俺も聞きました、そこでソフィアさんが俺のレシピの話をしたんですよね」

 メルさんからその話は聞いていたし、同じ話を2度聞く事になるのかと思っていると、意外な話をしてきた。

「あのですね、私がきっとミヤシタ様の提示したレシピを使って料理をしたら野菜が食べやすくなるという話をしたら、食いつきが良かったんです」
「じゃあ1度はレシピを使うこと自体はメルさんも考えたんですね」
「ええ、参考までにと思いましてと弟の為に提示してくれたレシピをメルさんにも教えたんです、そしたらこんな事をおっしゃっていました」

 次の瞬間ソフィアさんはメルさんが詰所で発言したことを俺に話してくれた。

「いいとは思う、でもきっと私ならもっと美味しくできる方法を考えられる、とおっしゃてました」
「そうなんですか、でも俺にはそんな事を言ってませんでしたよ」
「形は違っても食べる事に対して真剣に考えていらっしゃるミヤシタ様に対してもきっと敬意を持っていらっしゃるからだと思いますよ」

 あまり栄養学は発達していないこの世界で俺が何ができるかを真剣に考えているのがメルさんにも伝わっていたのか。それと料理人のプライドが合わさってあんな言い方になったのか、まったく面倒な人だぜ。

「この件は私からアレフ様にお話ししますので、決まりましたらミヤシタ様にもお伝えしますので」

 ソフィアさんも前向きにメルさんの事を考えてくれているのか、審査、俺も楽しみだな。
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