理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

パン屋での会話

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 メルさんに美味しい健康料理を提供する催し物への参加を依頼するが、しばらく考えさせて欲しいと言われ、返事は保留という形になった。だがその間も俺達はなじみのある飲食店を中心に交渉していた。

 そんなある日に俺はミミと一緒にとある場所を訪れていた。

「おーーい!ユーリくーーん!」
「あ、ミヤシタさん、それに聖女様も、こんにちは」
「こんにちは」
「あの、ユーリさん、私はまだ見習いなので聖女様と呼ばれるのは恐れ多いです」

 今日はユーリ君の店の店主との交渉の為に訪れたが、ミミが聖女様と呼ばれて照れており、ユーリ君が謝罪する。

「ああ、すいません。でもどうお呼びしたらいいんですか?」
「ミミと呼んでいただいて構いません」
「じゃあ、ミミ様。これでいいですか?」
「様つけも本当は恐れ多いのですが、名前を呼んでいただけたので、それで大丈夫です」

 とりあえず呼び方で落ち着いたようだし、まずはユーリ君に聞かないとな。

「ごめん、少し親方さんを呼んできてもらっていいかな?」
「親方はちょっと今留守にしていて今は僕が店番をしています」
「そうなのか、仕方ないちょっと今から話す事を帰ってきたら親方さんに伝えてもらって欲しいんだ」
「いいですけど、何の話ですか?」

 ユーリ君に問われ、俺は食の催し物をしようと思っている事を打ち明ける。

「実はさ、食の催し物をしようと思って、今協力してくれる飲食店を探して交渉中なんだ」
「食の催し物?診療所をやっているミヤシタさんがどうしてですか?」
「今回は表向きは美味しい健康料理というお題目をあげるんだけど、実際は子供の野菜嫌いの克服の手助けなんだ」
「野菜嫌い克服ですか?いい催し物じゃないですか!」

 ユーリ君の食いつきがいいぞ!まずはユーリ君にしっかりプレゼンして親方さんに言ってもらうか。

「実は最近街中でアンケートをして野菜嫌いの子供が多いから、野菜を美味しく食べられる料理を用意するのを飲食店に協力してもらおうと思ってさ」
「そうですか、あ、でもうちの親方はというか、料理を用意してもその代金はどうなるかの心配があると思いますよ」
「大丈夫だ、あらかじめどれだけ用意するかを詰所に提出してくれればそれに応じた協力金が支払われる」
「そうなんですか、それなら安心ですね」

 ユーリ君やその親方は多分そんな事はないだろうけど、一応これも言っておくか。

「ただ、予定より少ない分は当然支払金から差し引かれるし、提出した量が明らかに過大だったりしたら一応店に調査が入るらしいから注意してくれ」
「わ、分かりました」

 みんなが楽しむためのものでもあるし、不正はないようにしないとな。
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