理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

営業開始

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ソフィアさんとポーラさんが診療所をあとにし、帰っていくと、俺はミミ達にメルさんに今回考えた食の催し物への協力の交渉をする事を告げた。

「もしかして、あたし達にあのお姉さんのお店でごちそうするって言ったのは最初から催し物の交渉を考えていたからなの?」
「そうだな、話するなら食べにも来て欲しいって言ってたからな」
「え?あれからもユーイチ、あのお姉さんと会ってたの?」
「この間のアンケートの時にな、ちょっとあの人の発言には驚かされたけどな」

 ミーザに色々尋ねられると俺はアンケートをしている時に出会ったメルさんのとんでも発言について話した。

「前にあの人、自分の料理を食べれば野菜嫌いなんて一発で治るって言ってて、それには驚かされたな」
「へーー!大した自信家だね」
「まあでも料理にしろ、俺のような鍛冶師にしろ、物作りに命をかけているやつは、それくらいでなきゃあやっていけねえぜ」
「そうだな、それにあの人の実家もその地方じゃ有名な店だったようだし、そういうのがまた自信家と呼ばれる根幹になっているんだろう」

 色々とメルさんについて話しているが、そろそろ行かないとな、と、その前にみんなに確認しておかなくちゃいけない事がある。

「そうだ、みんな昼食抜きで試食に臨んだけど、夕飯までにちゃんと食べられそうか?」
「試食は一品を少しづつだったので大丈夫ですよ」
「あたしは今すぐ食べたいから、早く行こうよ」
「俺もだ、レシピの料理はうまかったけど、量的には俺には物足りないな」

 どうやらみんなお腹がすいて早く食べたいようだ。俺も小腹が空いてきたし、そろそろ行くか。

「じゃあ、これからメルさんのお店に行くからみんなついてこい!」
「はーーーい!」

 みんな、いい返事だな。そう思いながら俺達4人はメルさんの店へと向かっていった。

 メルさんの店が見えてくるとお客さんらしき人が出ていくのが確認された。どうやらいつの間にか営業を開始したようだ。

「ユーイチ様、メルさんお店の営業を始められたようですね」
「ああ……、そうだな」
「ユーイチ様、何かお困りですか?」
「いや、催し物の件はまだ公にしていない事だし、できれば他のお客さんがいない時にしたかったんだが」

 俺が店の営業がすでに始まっており、催し物の件の交渉をどうするか困っているとミーザが声をかける。

「それなら店が終わった後にすればいいじゃん、なんなら他の客の様子を見ながら話を切り出してもいいしさ」
「そうだな、とりあえずまずはみんなにごちそうだ」

 店の中に俺達だけならうまく話ができそうだし、それでいってみるか。
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