理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

異世界で仲間が増えました

食べやすい工夫

　ポーラさんに続いてソフィアさんが作ったオイスターソースを使っていないチンジャオロースを試食し、料理そのものは悪くないと思ったが、ピーマンの苦みは消えておらず、新たな料理をレシピ機能を使って検索すると、表示されたレシピの中からピーマンの肉詰めを俺はチョイスし、ひき肉を作る為にまずは屑肉を買いに行き、すべての手順をソフィアさんに説明し、ようやくピーマンの肉詰めが完成する。

　仕上げにあ・れ・を使おうと思っている為、俺はまずポーラさんに尋ねる。

「ポーラさん、さっきのトマトソース確かまだ余っていて捨てていませんよね？」
「ええ、せっかく作ったので、皆さんがお料理にお使いになれば良いと思いまして」
「それじゃあ、早速そのソースをソフィアさんの料理にかけますね」
「え？お嬢様のお料理にですか？」

　多分、このまま食べてもいいとは思うが、より食べやすさを重視して俺はトマトソースをかける事を考え、ソフィアさんにも提案する。

「ソフィアさん、食べ比べをしたいので半分にはソースをかけてもいいですか？」
「はい、もちろんです。そのソースがかかったオムレツがとても美味しかったですし、栄養がより増すなら反対する理由はありません」
「ありがとうございます、それじゃあかけますね」

　そう言って、俺はソフィアさんが作ったピーマンの肉詰めの半分に先程のトマトソースをかけ、ミミ達にも声をかける。

「それじゃあみんな、食べ比べて感想を言ってくれ」

　俺がそう声をかけてみんなが試食をすると順番に話す。

「そうですね、もちろん何もつけなくても美味しですけど、このソースってひき肉料理にも合いますよね」
「あたしもそう思う。この組み合わせなら子供も食べやすいと思うよ」
「子供はこの味付けでいいと思うが、俺なんかはソースはもう少ししょっぱくして酒と一緒に食う方がいいな」

　誰もお前の酒の肴なんて作っていないとギベルトに突っ込みそうになったが、そこはスルーして話をまとめるとどうやらみんな概ね好評のようだ。

「どうやら、他のみんなも食べやすいと思っているようですね」
「ミヤシタ様、皆様、ありがとうございます。これで少しでも弟が野菜を食べてくれると思うと嬉しいです」
「そうですね、あのソフィアさん、今度は俺からお願いしてもいいですか？」
「はい、何でしょうか？」

　アンケートを集計していた時から考えていた事を俺はソフィアさんに話す事とする。

「実はちょっと食に関する催し物をしたいと思っているんです」
「診療所を運営されているミヤシタ様がですか？」

　もちろん、ただ食べるだけの催し物ではない。