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異世界で仲間が増えました

微調整(トゥイーク)

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 早速、ギベルトさんの作ったハンドグリップを負傷してリハビリの必要な兵士の人が使用し、とても良い感触だと話すと、その様子を見ていたギベルトさんが兵士の人に声をかける。

「すいません、今のを見てもっとあなたに合わせられそうなのでちょっと預かってもいいですか?」
「え?はい」

 そう言ってハンドグリップを受け取ると道具を取り出し、何かしているな、あ!ゴムを破いている。いったい何を考えているんだ!

 ん?なにかそのゴムに対して道具を向けてなにか呟いているな。

微調整トゥイーク

 この感じ、まさかギベルトさんもスキルの使い手か、そのつぶやきと共にまったく表情を変えずにまるで作業そのものが機械的な動きになっている。一体これは!

 俺や兵士の人、奥さんがあっけにとられている間に作業が終わり、兵士の人にギベルトさんは作り直したハンドグリップを渡す。

「もう1回使ってみてください」
「はい、あ!すごい、さっきよりすごく自分に合っています。まるでなんというか自分の身体の一部みたいだ」
「それは良かった」

 ギベルトさんが満足そうな表情をしていると俺はギベルトさんにこの一連の流れを聞いてみる。

「ギベルトさん、今のは一体何なんですか?もしかしてギベルトさんも何かしらのスキルを身につけているんですか?」
「そうだ、今のは俺のスキル微調整トゥイークだ」
微調整トゥイーク⁉」
「ああ、道具の使い手の動きを見るのが発動条件なんだが、動きを見てから再度作業をしてスキルを発動させると本人仕様に微調整できるスキルなんだ」

 そうか、そこからはギベルトさんがいわば本人の動きを自らに覚えこませて作業が自動化するというものなのか、いうなればAIにプログラムを読み込ませて後は自動で行う仕様に近いのか。

 まさか、魔法が盛んな異世界でそんな機械的な動きを見れるとは思わなかったな。

 おっと、感心しているだけじゃダメだ。俺もしっかりと自分の仕事をしないとな。

「とりあえずしばらくはそのハンドグリップをお貸ししますので、またご要望があったらおっしゃってください」
「はい、ありがとうございます、ミヤシタさん、ギベルトさん」
「それじゃあ今日はこれで失礼します」
「失礼しました」

 俺が帰りの挨拶をすると、ギベルトさんも挨拶をして、俺達はそのままこの家をあとにする。

 兵士の人の家から出て道で俺はギベルトさんに声をかける。

「今日はありがとうございました、それじゃあ俺は診療所に戻りますので」
「待ってくれ、帰る前に俺の話を聞いてもらっていいか?」

 どうしたんだろう?ギベルトさんが俺に話があるだなんて。
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