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異世界で仲間が増えました

原因の特定

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 ギベルトさんが思うように鉄の打ち込みができない原因が筋力の低下やながく鍛冶作業から離れたブランク以外にもあるかもしれないと考えた俺はギベルトさんに腕を見せてくれるよう懇願する。

「ギベルトさん、もう1度腕を見せてもらっていいですか?」
「何?もういい、これ以上あんたの言うリハビリを受けても無駄だという事が分かったからな、これ以上余計な金や時間はかけたくない」
「もちろん、診断を受ける事は無理強いできませんが、あなたからは鍛冶師をあきらめきれないという気持ちが伝わってきましたので」
「……ガキの頃から親父に叩き込まれて、親父が死んでこれからは俺があとを継いでいかなくちゃって時にこんなケガをしたうえ、感覚も戻らねえんだ!あきらめたくはねえけどどうしようもねえ事だってあるんだよ!」

 とても悔しそうな気持が伝わってくる。俺もケガが治ってもサッカーを続けられない絶望を味わったし、少しはこの人の気持ちが分かる。

 だけど俺とこの人の違いがあるとしたらこの人にとっては生き死にも関わってくるって事だ。

 だから見捨てたくない!

「これを見てください」
「何だ?その鉄の塊は」
「これはスマホといって、これに腕をもっといえば腕の中をより精密に調べる機能があるんです。原因が分かれば対策も立てられるかもしれません」
「腕の中?俺の手が動かなくなったのはケガが原因で、傷を負ったせいじゃないのか?」

 少しは関心を持ってくれたか、まだもう一押しだな。

「腕が動かなくなったのはケガの後遺症で、筋力低下やブランクは長く手を動かさなかったのが原因ですが、感覚が戻らないのにはまた別の要因があるかもしれません」
「……、原因が分かれば治せるのか?」
「原因を特定してそれに対する治療法、あるいはリハビリ方法があればですが」
「……、やってくれ……」

 そう言って腕を差し出したギベルトさんに対し、再度尋ね直す。

「いいんですね、もしかしたら方法はないかもしれないし、あっても時間がかかるかもしれないんですよ」
「俺が依頼した治癒士はケガを治してはくれたが、俺の腕が動かねえってなったらあっさりと金だけもらって素知らぬ顔でどこへなりと消えた」

 アフターフォローの方法が確立していないとはいえ、ひどい話だな。

 ザリアンさんが後遺症の研究を始めたのはこういう背景も関係していたかもしれない。

「だけどあんたはダンカンさんの為もあるかもしんねえけどこうやって、俺と向き合って、俺が鍛冶師に復帰できるよう力を尽くしてくれている。だからさあんたを信じるぜ」
「ギベルトさん……、それじゃあ腕を撮りますね」

 頼む、俺やミミが対処できる原因であってくれ。
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