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異世界で仲間が増えました

リハビリと修行

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 ギベルトさんの自宅を訪れ、今日からギベルトさんのリハビリを開始すると本人に告げ、いよいよリハビリ開始だ。

 利き手である右手の筋力をケガ以前に戻す為のリハビリだ。特にギベルトさんはトンカチへのと力の入れ具合が上手くいっていないようだし、握力のリハビリをメインにしながら他の部位の筋力も戻していかないとな。

 とりあえず、今日は俺が指導をしながら一緒にやっていき、ギベルトさんもリハビリをとても真面目に受けてくれた。

「なるほどな、なんていうか鍛冶師になる前の修行を思い出すな」
「修行ですか?」
「ああ、鍛冶師の修行を始めた時は当然、武器なんて作らせてもらえず、ひたすら鉄の打ち込みをやらされたんだ」
「そうなんですね」

 職人の世界もやっぱりまずはひたすら基礎的な動きを身体に叩き込みながら覚えていくんだな。

「だけどある日、親父に来た依頼が親父が忙しすぎて俺に回ってきたときに俺が武器を作ってそれを依頼人が喜んでいるのを見た時はやっと鍛冶師になれたんだなと感慨深かったな」
「あ、それ、俺も分かりますよ。俺も初めてリハビリをした人が日常生活にしっかりと戻っていけたのは嬉しかったですから」
「そうなのか、まあこのリハビリは修行時代に戻ったつもりでしっかりとやるぞ」
「そうですね、それじゃあまた1週間後に様子見にうかがいますので」

 そう言って、俺はギベルトさんの元をあとにし、診療所に戻っていく。診療所に戻ると午後の診療を行い、それを終えるとミミとミーザに今日の話をした。

「鍛冶師さんも一人前になるまでやっぱり相当な修行をしているんですね」
「そうだな、地道な修行を重ねて一人前の職人として頑張ろうとしていた矢先に大ケガだからな、なんとか職人に復帰してもらいたいな」
「そうだね、リハビリ器具を作れるかもしれないし、ダンカンのおっちゃんも武器がないと仕事にならないからね」
「それもあるけど、あの人自身の為にも復帰してもらいたいなとは思っている」

 俺がギベルトさんの為にも復帰してもらいたいという話をすると、一瞬ミーザの表情はきょとんとしているが、すぐに俺は今日自分が感じた事を話す。

「あの人にとってはきっと鍛冶師として生きていくのが一番自分らしいと思っているように俺は思えた。多少地味な訓練でも真面目にやろうと言ってくれたあの人ならそれができるだろうし、その為なら俺は協力は惜しまないさ」
「ユーイチ様、リハビリはユーイチ様の専門ですが、私達にも協力できることがあったらおっしゃってください」
「そうだよ、っていうか今度あたしも連れて行ってよ、工房がどんなとこか見てみたい」
「ありがとう2人共、っていうかミーザ、遊び気分ならついてくるな」

 2人もギベルトさんの為に何かしたいと思っていることを俺は感じ、そして1週間が経過した。
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