94 / 273
異世界生活は大変です
魔法とスキルの法則
しおりを挟む
館での会が終わると同時に改めて俺は治癒士長のザリアン氏に別室に誘導されて話を持ち掛けられ、会議中に俺の魔力を探知して、俺にスキルの種がない事から俺が異世界人であると判断したと告げたのだ。
「まずは尋ねたいが、お前は魔法とスキル、それぞれの習得方法は知っているのか?」
「スキルの習得方法は以前聞きましたが、魔法の習得方法までは分かりません」
「そうか、魔法というのはすなわち魔力を消費して使用するものであり、一定以上の魔力を有していなければ使用できないのだ」
「はい」
そうだったのか、確かに言われてみれば魔法を使っている人なんて身近ではミミぐらいで、この治癒士達もいわゆる治癒魔法で治療をしているようだしな。
「魔導書で基本的な魔法を学び、そこからは各々に適した精と契約するのだ」
「精との契約?」
「魔法の概念のようなものだな、我ら治癒士や聖女並びにその見習いは治癒の精と契約する」
ミミが呪文を詠唱する際に事あるごとに治癒の精と呼んでいたのはそういう事だったのか、あれ?でも待てよ確かミミが1度だけ詠唱しないで魔法を使ったのを見たことあるぞ。
「1度だけ、聖女見習いのミミという子が無詠唱でそれも火の魔法を放ったのを見たことがあるんですが、あれはどういうことなんですか?」
「それは基本的な魔法で詠唱の必要がなく、使用できるのだ」
ザリアン氏の説明に納得していると更にザリアン氏が俺に対して話を続ける。
「実は私は疑問に思っていたのだ、二コラ様を治されたのが本当にスキルの類であったのかをな」
「え?」
「もちろん治療に適したスキルも存在はするが、話を聞く限りもしかしたら我らの知らぬうちに発展した治癒魔法の可能性も捨てきれないでいた」
「そうだったんですか?」
まさか俺のスキルを治癒魔法の発展系と思っていたなんて、なんとなくだがこの人は着眼点が今まで会った人達と違うな。それがこの世界で長年優れた功績を残せた証なのか?
「だが、お前の魔力量は少なく、スキルの種も探知できない、そして他国にもそのような者は存在せんのだ」
「それで、まさか……」
「そうだ、我らの常識、そしてあらゆる法則性が適用されないとなると異世界人であると判断するのが私としては妥当だと思ったのだ」
「確かに自分は異世界からの転移者で魔法やスキルの常識はこの世界の人と同じではないかもしれません」
俺を異世界人と判断したザリアン氏だが、あえてあの場で公表せずにわざわざ2人きりになってその事を告げた理由は何なんだ?
「まずは尋ねたいが、お前は魔法とスキル、それぞれの習得方法は知っているのか?」
「スキルの習得方法は以前聞きましたが、魔法の習得方法までは分かりません」
「そうか、魔法というのはすなわち魔力を消費して使用するものであり、一定以上の魔力を有していなければ使用できないのだ」
「はい」
そうだったのか、確かに言われてみれば魔法を使っている人なんて身近ではミミぐらいで、この治癒士達もいわゆる治癒魔法で治療をしているようだしな。
「魔導書で基本的な魔法を学び、そこからは各々に適した精と契約するのだ」
「精との契約?」
「魔法の概念のようなものだな、我ら治癒士や聖女並びにその見習いは治癒の精と契約する」
ミミが呪文を詠唱する際に事あるごとに治癒の精と呼んでいたのはそういう事だったのか、あれ?でも待てよ確かミミが1度だけ詠唱しないで魔法を使ったのを見たことあるぞ。
「1度だけ、聖女見習いのミミという子が無詠唱でそれも火の魔法を放ったのを見たことがあるんですが、あれはどういうことなんですか?」
「それは基本的な魔法で詠唱の必要がなく、使用できるのだ」
ザリアン氏の説明に納得していると更にザリアン氏が俺に対して話を続ける。
「実は私は疑問に思っていたのだ、二コラ様を治されたのが本当にスキルの類であったのかをな」
「え?」
「もちろん治療に適したスキルも存在はするが、話を聞く限りもしかしたら我らの知らぬうちに発展した治癒魔法の可能性も捨てきれないでいた」
「そうだったんですか?」
まさか俺のスキルを治癒魔法の発展系と思っていたなんて、なんとなくだがこの人は着眼点が今まで会った人達と違うな。それがこの世界で長年優れた功績を残せた証なのか?
「だが、お前の魔力量は少なく、スキルの種も探知できない、そして他国にもそのような者は存在せんのだ」
「それで、まさか……」
「そうだ、我らの常識、そしてあらゆる法則性が適用されないとなると異世界人であると判断するのが私としては妥当だと思ったのだ」
「確かに自分は異世界からの転移者で魔法やスキルの常識はこの世界の人と同じではないかもしれません」
俺を異世界人と判断したザリアン氏だが、あえてあの場で公表せずにわざわざ2人きりになってその事を告げた理由は何なんだ?
0
お気に入りに追加
949
あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。


ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる