理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

ザリアンの疑問

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領主様の館の会議室で早速俺は治癒士長のザリアン氏より領主様の息子である二コラ君の足から後遺症を取り除いた事を言及される。

 それに対し俺は治癒士の方々が怪我を治したからこそできたと話し、それに対してザリアン氏が返答をする。

「どうやら貴殿のスキルとやらは治癒魔法とは別の系列の力である事が推測されるな」
「はい、怪我を治すだけでは元の生活に戻るのは困難な場合があります、ですから私は治癒士の皆様にもリハビリの方法を、それも多岐にわたるケースを知ってもらおうと思い、教本を書かせていただきました」
「この会の前に数日かけ貴殿の教本を読ませてもらったが、なかなかに興味深く、長年治癒士をしてきたこの私でも目から鱗であったぞ」
「お読みいただき光栄にございます」

 俺がザリアン氏が教本を読んでくれた事に感謝の意を示すと、ザリアン氏は今度は顔をしかめながら俺に対し問いただすように尋ねる。

「だが、その本には肝心な事が書かれておらん」
「肝心な事?ですか……」
「貴殿のスキルの習得法だ、どのような者に師事し、どのような修練で身につけたかが書かれておらんのだ、どういうつもりか説明を願う」
「……おそれながら申し上げます、私も突如このスマホ、機械に通知が入り習得したとのお知らせがあったので、使用したらできたのです」

 俺の説明に対し、更にザリアン氏が追及をしてくる。

「そう申して、我らに肝心な部分は説明しないつもりか」
「違います!実はこの機械は質問にも答えてくれる機能があるのですが、他の人にも教えるために理屈を聞いたのですが、返答がなかったのです」

 俺の発言を聞いたザリアン氏は隣の領主様に声をかける。

「領主様……」

 呼び寄せて耳打ちをすると、今度は領主様は進行役のゴルという人に向けて言葉を発する。

「ゴルよ!お前がミヤシタ殿の側に移動し、その鉄の板について確認し、我らに報告せよ!」
「はっ!」

 そう言ってゴルさんは自分の席から俺の席の近くまで移動し、俺に近づくと声をかける。

「ミヤシタ様、ミヤシタ様のおっしゃることが事実かどうかを確認しなければなりませぬので、その質問をこの鉄の板にするところを私に拝見させてください」
「はい、分かりました」

 次の瞬間、ゴルさんは小声で俺に声をかける。

「お疑いするようで申し訳ありません、ですがザリアン様はどうしてもこの部分を知りたかったのです」
「いえ、じゃあそこで見ててください」

 次の瞬間、俺はスマホのQ&Aコーナーを開き、以前も質問したが、スキル:最適化リハビリを習得する過程を改めて問うことにした。
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