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異世界生活は大変です

朝の見送り

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 3日後に領主様の館に呼ばれた俺はそこから、診療を終えるとプレゼン資料の作成を行い、あっという間に3日が経った。とりあえず今できるすべてはした、あとは領主様の館までの出迎えを待つだけだ、早朝に詰所の兵士が迎えに来ると聞いていたので、診療所の外で待っていると、そこに迎えの兵士とは別の人物がやってきた。

「ユーイチ様」
「ユーイチ」
「ミミ、ミーザ、どうしたんだ?まだ診療時間じゃないはずだが」

 診療時刻より2人がかなり早く来たので、2人に疑問をぶつけるとそれぞれが俺に対して返答をする。

「何言ってんだよ、あんたの見送りに決まってるじゃん」
「昨日診療を終えてから2人で話したんですよ、ユーイチ様のお見送りをしましょうと」
「お見送りって、別に1日2日いないだけなんだけどな」

 俺が見送りは大げさではないかのような言い回しをするとミミがその発言に対しての返答をする。

「いえ、3日前にザリアン様のお名前を聞いたときに思ったんです、少しづつユーイチ様と私達がしている事が高名な方にも認められるかどうかというところまできていると」
「ミミ……」
「私達はユーイチ様みたいなスキルはなく、リハビリの専門性は低いですが、診療所の一員として応援の意味も込めてお見送りをしたいと思いました」

 ミミがそう言うと、ミーザも言葉を発する。

「あたしもミミと同じ意見だよ、特にあたしは万一診療所が廃業なんて事になったらおっ母と一緒に路頭に迷うからね」
「廃業って……」
「そのザリアンって人偉いんだろ?そんな人があんたの事を悪いように言ったら、診療所に人が来なくなるかもしれないじゃないか、そういう人の言葉って影響力あるからさ」

 ミーザも俺と同じような事を考えていたのか、そんな事を思いながらミーザが更に俺に対して言葉をかける。

「あんたの頑張りはあたし達やこの街の人達はよく知っている、だからあたしも応援の意味で見送りに来たんだ」
「そうだったのか、2人共ありがとう。あと、診療時間までゆっくり休んでいてくれ、もういつでも開けるようにしてはいるから」
「ありがとうございます、ユーイチ様」
「ありがとね、お言葉に甘えるよ」

 2人が礼を俺に言うとミミが俺に何か飴のようなものを渡す。

「これ馬車に乗る前になめてください、私が魔法で酔いを止める効果を付与しているので」
「ありがとう、俺の為にそこまでしてくれるなんて」

 そんなやり取りをしていると、迎えの馬車が到着した、さあ、いざ領主様の館へ行くぞ。
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