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異世界生活は大変です

正式命名

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 午前中はダンカンさんの奥さんのミランダさんがリンちゃんの怪我の手当ての為に訪れるという珍しい事もあり、俺達は昼食休憩に入っていた。

 その休憩中に午後の診療時間までの動きについて話し合いをしている。

「ミミ、今日は前にミミが往診していた患者を俺も一緒に診るんだよな?」
「はい、でもその前に診療所のお名前の申請に詰所に寄るんですよね?」
「そうだな、(仮)を取らないといけないしな」

 俺とミミが往診、そして詰所に立ち寄る事を相談していると、ミーザも話に加わる。

「じゃあ、この間と同じであたしが留守番だね、また隠密ステルスを使ってコソ泥を誘い出して捕まえようか?」
「今日はいいよ、あいつらは1度逃がしたから捕まえてくれて感謝しているけど、人がいるのがあの手の奴らには抑止力になるからな」
「まあ、ユーイチがそう言うなら、留守番だけしてるよ。それでも来る怖いもの知らずはボコボコにしてやるからさ」
「ハハハ、それは頼もしいな」

 この街はボッズの街と違って荒くれものは少ないし、せいぜいこの間のコソ泥みたいなやつらが関の山だろうから、傭兵として経験と訓練を積んだミーザの敵になる奴はいないだろう。

「さあ、ミミ、そろそろ出るか」
「はい、行ってきます、ミーザさん」
「いってらっしゃい、ユーイチ、ミミ」

 ミーザに見送られ、まずは詰所を訪れる。

 兵士の人もすっかり俺が来るイコールすぐに執務室のアレフさんの所まで案内してくれる。

 最近はほとんどフリーパスに近いな。そして部屋に入るとアレフさんもジェスチャーだけで俺に座れと示し、俺達はソファーに座る。

「して、今日は何用だ?まさかもう教本が完成したのか、いや、1日ではさすがに無理か」
「さすがにあれはまだ時間がかかりますよ、今日は診療所の名前の申請に来ました」
「診療所、そうか、似たような事業をしている者がいなかったので、私も見落としていたが、固有の名前はあるに越したことがないな」
「これです」

 そう言って、俺はアレフさんに俺達の診療所の名前を書いた書類を見せ、アレフさんがしばらく読んでから言葉を発する。

「なるほど、『ミヤシタ・リハビリ・クリニック』か……」
「どうですか?」
「当然だが同じ名前の店舗はないし、運営者、そして目的がはっきりしている以上却下する理由はない」
「それじゃあ……」

 俺が期待のまなざしでアレフさんを見ているとアレフさんは強く言葉を発する。

「今日からこの名で診療所の活動を許可しよう。登録は私の方でしておく」
「ありがとうございます」
「ミヤシタ・リハビリ・クリニックの名がコーロ地方、いやビルディス王国内にその名がとどろくのを期待しよう」

 国中に俺達の診療所がとどろく日か……、この国のリハビリの第一人者として名を挙げれば遠くはないかもな。
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