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異世界生活は大変です

契約と仲間

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 何とかミーザさんとお母さんの新居が決まり、2人共安心しているようだ。そんなミーザさんに俺は一言告げる。

「ミーザさん、診療所には明日から入ってもらえたらいいから、今日はお母さんと荷物の整理をしててくれ」
「いいの?」
「あれだけの荷物お母さんだけじゃ大変だろう、何なら知り合いに荷物の運搬を手伝ってもらうよう頼んでおくよ」
「そう、ありがとう。あ、そうだあたしからもいいかな?」

 俺は診療所に戻る途中でダンカンさんに声をかけてその元部下達にミーザさん達の荷物の運搬を手伝ってもらうよう頼むつもりでこの場をあとにしようとするが、その前にミーザさんが声をかけてきた。

「あんたさ、ずっとあたしの事をさんづけしているけど、今日から一応あんたと契約をするわけだし、あんたがあたしに指示するんだったらその呼び捨てでいいよ」
「そうか、まああんたがそう望むならそうさせてもらうが、俺からもいいか?」
「何?」
「確かに俺達はいわば雇用契約を結んでいるのは確かだけど、それとは別で一緒に働く仲間でもあるし、俺の事もユーイチとかミヤシタとか好きに呼んでもらっても構わない」

 一応彼女というか、傭兵の世界の流儀に従うつもりではいようと思ったが、彼女だけを一方的に呼び捨てにするのはどうも気が引けるんだよな。

 ミミの場合だと仕事柄、ああいう接し方が一番彼女がしっくりくるようだし、無理な矯正はしない方がいいかなと思ったから、本当は少しむずがゆいけど俺に対する様付けを許容しているところがあるからな。

「分かった、じゃあこれから頼むよ。
「こちらもお願いするよ、

 改めて挨拶を交わした俺はミーザに再度声をかけ直す。

「じゃあ俺は診療所に戻りながら知り合いに声をかけておくから、無理はするなよ」
「大丈夫だって、なんならその知り合いが来る前に終わらしてやるからさ」

 ミーザも少しづつだが俺に対し軽口を叩くようになったな、やっぱり少しは気が合いそうな奴と一緒に仕事をするのが長続きするかもな。

 そして俺は診療所に戻る前にダンカンさんの果物屋に寄って、果物を買いつつ、ミーザの家に荷物の運搬を元部下達にしてもらうようお願いした。ミーザとお母さんの特徴を伝えて、俺の名前を出してもらうよう頼んだ。

「おう、声をかけておくぜ!」
「お願いします、手伝ってくれた方は次の診療の自己負担を1割減させてもらいます」
「それを聞いたらますます、手伝う奴が増えそうだな」

 よし、それじゃあ俺は午後の診療に全力投球だ!
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