理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

キッコまで

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ウォーカーさんのいるボッズの詰所でもなんとかミーザさん親子の移住手続きを終え、俺達はこれからキッコの街へと戻る為、再び荷物を4人で分割し、貸し馬車へと向かっていた。

 休憩を挟みながら歩いていくと、貸し馬車の斡旋所へと到着した。

「はあ、はあ、とりあえず俺が話をしてくる。みんなはここで待っていてくれ」
「そうだね、この荷物も見てもらわなくちゃいけないし」

 これだけの荷物も載せられる馬車か、俺達が乗っても1台ですめばいいんだけどな。

 そんな事を考えながら俺は斡旋所に入り、受付らしき男から声をかけられる。

「いらっしゃいませ、貸し馬車をご希望でしょうか?」
「はい、その前にちょっと確認して欲しいので、少しだけ外に出ていただいてもよろしいですか?」
「ええ、分かりました」

 受付の男に一旦外に出てもらい、俺は荷物を見るよう促し、尋ねる。

「これだけの荷物をなんとかキッコまで運びながら4人が乗れる馬車があったらそちらを希望したいんですが」
「1台でですか、少々お待ちください」

 そう言って受付の男は斡旋所の中に戻っていく。多分彼より偉い人に相談しているんだろう。

 しばらくすると戻って来て、俺達に声をかける。

「お待たせしました、街の外に用意してもらえるよう手配しておきました」
「ありがとうございます」
「申し訳ないのですが、街の外まではお荷物はお客様でお運びください」
「分かりました」

 結局街の外まで4人で荷物を運んでいき、街の出入り口に到達すると馬車があるのを確認する。

 1台だがこの大きさならこの荷物を載せつつ俺達も乗ってキッコまで行けそうだ。

 そんな事を考えていると馬車の中から御者さんが出てきて俺達に声をかける。

「こんにちは、私がこの馬車の御者です、皆さんを責任を持ってキッコまでお連れさせていただきます」
「ええ、お願いします」

 俺が御者さんと挨拶を交わすとまずは馬車に荷物を詰め込んでいき、詰め終えると全員で馬車に乗り込む。

 全員が馬車に乗り込んだのを確認すると馬車は出発する。あ、そういえば俺って馬車酔いするんだったな。でも大丈夫なはずだ、なんせ俺はもう3回も乗っているんだからな。

 しかし、俺はここで自分が思い上がっていることを思い知らされる。

 夜に馬車はキッコに到着するが、やはり俺は馬車酔いしてしまったのだ。

「ユ、ユーイチ様……大丈夫ですか?」
「こいつを本当に頼っていいのかな?」

 ミミには心配され、ミーザさんには呆れられる中、俺はミミの魔法で酔いを治してもらう。
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