理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

異世界生活は大変です

新機能使用

　ミーザさんのお母さんの病気は治ったが、まだ呼吸が少し辛そうな状況から肺に後遺症が残っている恐れがあるが、俺は医師でない為、その手の正確な診断はできないと思っているとスマホに新機能である照射診断レントゲンが追加された。

　とりあえず試してみないと分からないし、まずはミーザさんのお母さんに症状を聞き、説明しないとな。

「あの、まだ少し呼吸がお辛いですか？」
「そうだけど、まあ死ぬかもって思った頃に比べたらね」
「いえ、ひょっとしたら後遺症が残っているかもしれないかもしれないので私が取り除きますから、これで撮影させてください」
「何だい？その妙な鉄の塊は？」

　やはり疑問に思うか、だがしっかり説明したうえで後遺症を取り除かないと納得はできないだろう。

「この機械で正確な後遺症の部分が分かるんです。その魔法みたいな力でまだ悪い部分が分かるのでお勧めします」
「あのさ、もうあたしは元気になったんだよ。無駄に治療されるとかえって調子悪くなったらどうしてくれるんだい！」

　くっ、俺の言う事は信じてもらえないのか、だが無理やり撮影やスキルを使用しても効果は薄いかもしれないし、何よりミーザさん達の信用を失ってしまう。一体どうすれば？

「あの、私が申しても身内の擁護としか捉えられないかもしれませんが、そのユーイチ様を信じていただけないでしょうか？」
「お嬢ちゃん、あんたは実際にあたしを治してくれたけど、この人はなんかよく分かんないことしか言ってないじゃないか」
「私も最初は妙なお人だと思っていました。でもユーイチ様はいつも出会う患者さんに真摯に向き合っています」

　ミミが俺の擁護の為に言葉を発し、更にミミは話を続ける。

「ユーイチ様のスキルで私では取り除けなかった後遺症を除去し、他にも長く動けなかった方の為に訓練用の、それも無理のないメニューを組んでいるんです」
「お嬢ちゃん、あんた……」
「ミーザさんと契約できれば私達が助かるのは事実です。でもそれ以上にユーイチ様はまだ苦しんでいるお母さまをどうにかしたいと思っているんです」
「……、分かったよ、その人の事を近くで見てそう思ったんならね。頼むよ、まだあたしの悪い所を調べられるんなら」

　ミミ、ありがとう。ミミのおかげで俺はここまでこれたし、それを忘れちゃいけないな。よし早速新機能を使用するか。

「分かりました。それじゃあ、まずは全身を撮りますので動かないようお願いします」
「はいよ」
「それじゃあ撮ります」

　よし今読み込んでいるし、診断結果を待つとするか。