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異世界に転移しました
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無事、診療初日を終えた俺達は少しばかりの贅沢をする為に店を探した。
俺としては久しぶりに酒も飲みたいが、俺の元いた世界で言う居酒屋的な所にミミを連れていくのは気が引けるし、いつもの店で少しお高めのメニューを頼むとするか。
そんな事を考えている内に店にたどり着き、テーブルに案内されて飲み物が届くと俺から乾杯の音頭を取る事にした。
「それじゃあ、診療初日、お疲れさまでした!」
「お疲れ様です!」
お互い飲み物はティーだが、まあこういう乾杯もいいだろう。
そして料理がテーブルに置かれると俺達は食事を摂り、この世界で初めて食事そのものを楽しんでいる。そんな気分だった。
ミミにも笑顔が見られ、やっぱりここに一緒に来て良かったとも思った。
そんな中、ミミが俺に尋ねてきた。
「あの、ユーイチ様、ちょっとよろしいですか?」
「ん?何だ?」
「ユーイチ様は別の世界から転移してきたとおっしゃっていましたが、やっぱり、その元の世界に帰りたいとお思いですよね?」
「まあ、そりゃあ帰る方法があれば帰りたいが、現状ではその方法も分からないしな、ミミはそういう事何か知らないか?」
俺がミミに尋ねると申し訳なさそうな顔で返答をする。
「ごめんなさい、私には分かりません。異世界からの転移者でお会いしたのもユーイチ様が初めてでしたから」
「そっか、それじゃあ仕方ないな。まあ、ここでの生活が落ち着いたら暇を見て調べてみるしかなさそうだな」
「ごめんなさい、お役に立てず」
「ミミが気にする事じゃない、元の世界の話が出たし、折角だから俺の話をしよう」
そう言って、俺は自分の生い立ちというか、理学療法士を目指したきっかけを話した。
「実は俺、高校の1年生までサッカーをしていたんだよな」
「サッカー?ってどのような事ですか?」
「ボールっていう、丸い物体を蹴ってそれで得点っていうか、ゴールっていう籠に入れる回数を競う競技なんだ」
「戦闘訓練ですか?それって?」
この世界じゃあスポーツ的なものはそう捉えられるのか、確かに歴史の側面を見るとそういう要素もあるな。でも待てよ日本には昔、蹴鞠っていう貴族の楽しみがあったけど、あれがサッカーの起源じゃないのか?多分ヨーロッパだよな?いや今はサッカーの歴史より俺の話だ。
「それでさ、高校1年の時のインターハイ、大きな大会があったんだけどそこでひどい怪我をしちゃってさ……」
「そうだったんですか……」
「リハビリは続けていたが、サッカーがまたできるようになるまで2年かかるって言われて、俺にとっての高校でのサッカーは終わったんだ」
「ユーイチ様……」
ミミの表情が少し暗くなっているからそろそろ前向きな話もしないとな。
「それで部を辞める以外に選択肢はなかったな。だけどスポーツ推薦っていって、サッカーで高校に入った俺はサッカー部でなくなった途端、学校での居場所を失っちまったよ」
「そこからユーイチ様はどうやって立ち直ったんですか?」
「俺がリハビリを受けている内に高校在学中は間に合わなかったけど、少しづつ身体機能が回復してさ、これはすごい!って思ってさ、そこから勉強苦手だったけど、必死で勉強してさ理学療法士の専門学校ってところに合格したんだ」
俺は更に当時の心情をミミに話した。
「時間はかかったし、俺の身体はサッカーはブランクはあって思うようにできなかったけど、日常生活は普通に動けるようになったし、俺もそういう事をしたいなって思ったんだ」
これから一緒に頑張るミミにはやっぱり俺の原点は知って欲しいと思ったからこの話をした。
俺としては久しぶりに酒も飲みたいが、俺の元いた世界で言う居酒屋的な所にミミを連れていくのは気が引けるし、いつもの店で少しお高めのメニューを頼むとするか。
そんな事を考えている内に店にたどり着き、テーブルに案内されて飲み物が届くと俺から乾杯の音頭を取る事にした。
「それじゃあ、診療初日、お疲れさまでした!」
「お疲れ様です!」
お互い飲み物はティーだが、まあこういう乾杯もいいだろう。
そして料理がテーブルに置かれると俺達は食事を摂り、この世界で初めて食事そのものを楽しんでいる。そんな気分だった。
ミミにも笑顔が見られ、やっぱりここに一緒に来て良かったとも思った。
そんな中、ミミが俺に尋ねてきた。
「あの、ユーイチ様、ちょっとよろしいですか?」
「ん?何だ?」
「ユーイチ様は別の世界から転移してきたとおっしゃっていましたが、やっぱり、その元の世界に帰りたいとお思いですよね?」
「まあ、そりゃあ帰る方法があれば帰りたいが、現状ではその方法も分からないしな、ミミはそういう事何か知らないか?」
俺がミミに尋ねると申し訳なさそうな顔で返答をする。
「ごめんなさい、私には分かりません。異世界からの転移者でお会いしたのもユーイチ様が初めてでしたから」
「そっか、それじゃあ仕方ないな。まあ、ここでの生活が落ち着いたら暇を見て調べてみるしかなさそうだな」
「ごめんなさい、お役に立てず」
「ミミが気にする事じゃない、元の世界の話が出たし、折角だから俺の話をしよう」
そう言って、俺は自分の生い立ちというか、理学療法士を目指したきっかけを話した。
「実は俺、高校の1年生までサッカーをしていたんだよな」
「サッカー?ってどのような事ですか?」
「ボールっていう、丸い物体を蹴ってそれで得点っていうか、ゴールっていう籠に入れる回数を競う競技なんだ」
「戦闘訓練ですか?それって?」
この世界じゃあスポーツ的なものはそう捉えられるのか、確かに歴史の側面を見るとそういう要素もあるな。でも待てよ日本には昔、蹴鞠っていう貴族の楽しみがあったけど、あれがサッカーの起源じゃないのか?多分ヨーロッパだよな?いや今はサッカーの歴史より俺の話だ。
「それでさ、高校1年の時のインターハイ、大きな大会があったんだけどそこでひどい怪我をしちゃってさ……」
「そうだったんですか……」
「リハビリは続けていたが、サッカーがまたできるようになるまで2年かかるって言われて、俺にとっての高校でのサッカーは終わったんだ」
「ユーイチ様……」
ミミの表情が少し暗くなっているからそろそろ前向きな話もしないとな。
「それで部を辞める以外に選択肢はなかったな。だけどスポーツ推薦っていって、サッカーで高校に入った俺はサッカー部でなくなった途端、学校での居場所を失っちまったよ」
「そこからユーイチ様はどうやって立ち直ったんですか?」
「俺がリハビリを受けている内に高校在学中は間に合わなかったけど、少しづつ身体機能が回復してさ、これはすごい!って思ってさ、そこから勉強苦手だったけど、必死で勉強してさ理学療法士の専門学校ってところに合格したんだ」
俺は更に当時の心情をミミに話した。
「時間はかかったし、俺の身体はサッカーはブランクはあって思うようにできなかったけど、日常生活は普通に動けるようになったし、俺もそういう事をしたいなって思ったんだ」
これから一緒に頑張るミミにはやっぱり俺の原点は知って欲しいと思ったからこの話をした。
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