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異世界に転移しました

治療開始

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 俺は老婆と孫の2人暮らしの家に詰所の兵と一緒に訪れ、老婆が骨折により後遺症が残っている事を知った。

 そこで俺は自分のスキルの効果範囲をスマホのスキルのページに合ったQ&Aコーナーを活用し、音声で質問をしてみる事にした。

 現在検索中のようだが、間もなくして回答が液晶に表示された。

『回答:対象者の年齢に関係なく、スキルの効果は適用されます。但し、それにより生じた身体機能の低下を元に戻す事はできません』

 なるほど、あの時の二コラ君の時と同じか。ただ高齢者のリハビリは体力との相談が不可欠だな。ともあれまずは後遺症を取り除かなくては。

 再び、家に入った俺は孫に声をかける。

「申し訳ありません、お待たせしました」
「いえ、それで祖母を治せるんですか?」
「お任せください」

 そう言って俺はベッドで横になっている祖母に近づき、骨折した足に向けて手をかざしスキル名を叫ぶ。

最適化リハビリ!」

 俺の手から放たれた眩い光は祖母の足に向かっていき、光の眩さに孫と兵士は手で目を覆ているが、間もなく光は消えると、手を下げて、孫が祖母に駆け寄って声をかける。

「おばあちゃん!足はどう?」
「どうって……あれ、足が動くわ」

 どうやら成功したようだが、前回の事もあるしまた転倒されて骨折されるのはかなわないから俺は祖母に声をかける。

「少しづつゆっくり立ちましょう、急に一気に歩くとふらつきますから」
「は、はい」

 俺と孫で両サイドから祖母を抱えてゆっくり立ってもらい、俺達が支えている状態で俺は祖母にどういう状態かを尋ねる。

「それで、足の感じはどうですか自分達が手を離しても大丈夫ですか?」
「申し訳ありません、少し足の力が弱くなって1人で歩くのはとても……」

 祖母の声から不安を感じた俺は孫と一緒に少しづつ再度ベッドに祖母を座らせてから孫に声をかける。

「すいません、あのテーブルをお借りしてもいいですか?」
「あ、はい、どうぞ」
「ありがとうございます」

 礼の言葉を孫に言うと、俺は診療所から持ってきた紙にスマホの翻訳機能を使いながらリハビリメニューを書いていく。

 書き終えるとメニューを孫と祖母に見せて説明する。

「今日のところは自分がお手本を見せるのでお婆さんにこのメニューでのリハビリの訓練をしてもらってください」
「は、はい」
「当分、昼間は自分がここに来てリハビリの訓練をしますのでお孫さんは昼間に働きに出ても大丈夫です」
「ありがとうございます、ミヤシタさん!」

 今後もリハビリは必要だが、ひとまず解決だな。
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