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異世界に転移しました

朝食を家で

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 今日は俺にとっては記念すべき診療所の開設の日だ。今までよりも早く起きて診療室の掃除や物の配置などに気をつかっていた。

 俺がそんな準備をしていたころ、扉をノックする音が聞こえたので俺は扉を開ける。

「おはようございます、ユーイチ様」
「おはようミミ」
「ユーイチ様、朝ご飯を一緒に食べに行きませんか?」
「待ってくれミミ、今日から一々店に食べに行ってたら診療時間に間に合わないから、ここで食べよう」

 俺のここで食べように疑問が浮かんだミミは俺に尋ねる。

「ここで、ですか?でもお食事はどちらに?」
「こっちへ来てくれ」

 そう言って別室に案内してその場所を目にしたミミは驚きの表情を見せる。

「これは食事のテーブル⁉それにあれってキッチンですよね?一体いつの間に?」
「実は領主の館に滞在している間に手紙をダンカンさんに送っていて、キッチンとダイニングを作ってもらうようにお願いしていたんだ」
「そうだったんですか?でもそれならどうして昨日のうちに教えてくれなかったんですか?」
「ミミを驚かせたくてな、こういうのを俺の世界じゃサプライズっていうんだ」

 我ながら見事なサプライズだと思ったが、少しミミは呆然としていた。

「さぷらいず?そんな文化があるんですね」
「そういう事、さあちょっと待ってくれ。すぐに用意するから」

 そう言って俺は簡単ではあるが食事の準備を始める。昨日ミミが帰った後にまだ開いている店に行って、食材を探して購入したのだ。

 異世界にきてからずっと無一文だったが、この間の領主様の息子の後遺症を治し、リハビリに付き合い、その後のフォローとしてリハビリメニューを作成した事で、報酬を貰えたので買い物をする事ができたのだ。

 まだこの世界の金銭感覚などはなかなか掴めないが、それは生活していくうえで慣れていくしかない。そんな事を考えながらようやく料理ができた。とりあえずスープとサラダは俺が作り、買ったパンを出す。

 パンは店の人が作ったし、サラダも基本的には野菜を盛りつけただけで問題は無いと思うが、スープは俺流だし、ミミの口に会うといいんだけど。

 ミミがテーブルの椅子に座ると食事に手を伸ばす。

「それじゃあいただきますね、あ、このスープってユーイチ様が作ったんですか?」
「ああ、そうだ」
「いただきます。ん?すごい美味しいですよ、ユーイチ様はお料理が上手なんですね」
「そ、そうか、喜んでくれて嬉しいよ」

 どうやらミミの口に合ったようだ。よし!朝食が終わったら診療開始だ!
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