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高校2年編
開かれた道
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倉橋八段が自分の手番で長考に入り、天馬にとっては生きた心地のしない時間帯が長く続いている。
長考する局面というのは自分にとっての難しい局面、もしくは勝負所とみてしっかり読みを入れる意味があるのだが、今回の倉橋のケースは明らかに後者であり、天馬もこの時間を利用し読みを入れるが倉橋の指すであろういくつかの手から考えられる分岐を模索するが不安をとても多く感じていた。
天馬と倉橋の対局が倉橋の長考で局面が動かなくなっていた頃、一輝は学校の授業が終わり、下校準備をしていた。
下校準備をしていた一輝に梢子が声をかける。
「長谷君、帰るの?」
「ああ、って言うよりこれから兄弟子の家に行って、今日の真壁五段と倉橋八段の対局のネットでの生中継を観るんだ」
「アプリだけじゃなくてネットでも中継しているのね、この対局」
「たまにタイトル戦以外の生中継もしているし、平日は中々観れないと思うけどたまには佐藤さんも観るといいと思うよ」
一輝が梢子に生中継の観戦を勧めていると梢子からある事を知らさられる。
「そうね、私も時間が合えば観てみるわ。そうだ、さっきメールを見たら林原先生から研修会試験の日程が送られてきたわ」
「やっと決まったんだ。良かったね」
「うん、ありがとう」
「佐藤さんの実力なら研修会の試験は突破できると思うし頑張って。それじゃあ」
そう言って一輝は教室をあとにし、兄弟子の西田のアパートを目指し、下校する。
一輝が下校すると梢子の友人らしき女子生徒が梢子に話しかけてくる。
「ちょっと、梢子、最近よく長谷君と話す事多くなってるんじゃない?」
「そうそう、あ、もしかして梢子、長谷君と付き合っているの?」
友人達から一輝との関係を突っ込まれて一瞬戸惑うが梢子は可能な限り言葉を噛み砕いて経緯を説明する。
「違うわよ、あのね2人も長谷君が将棋のプロというのは知っているわよね?」
「うん、時々将棋の試合で学校を休んでいるっていうアレの事よね?」
「それで長谷君の先輩のベテランの人から私が研修会っていうのに入る為の師匠を紹介してもらったの」
「研修会?師匠?何の事?」
梢子の発言内容を理解できていない友人に梢子は自身の希望を伝える。
「私ね将棋の女流棋士になりたいの。その為に研修会に入るの」
「何か良く分からないけど、梢子の頑張る事なら応援するよ」
「うん、あたしも」
「ありがとう2人共、結果が出たら教えるわね」
天馬がタイトル挑戦を目指す中、梢子の進路もわずかに道が広げてきたのである。
長考する局面というのは自分にとっての難しい局面、もしくは勝負所とみてしっかり読みを入れる意味があるのだが、今回の倉橋のケースは明らかに後者であり、天馬もこの時間を利用し読みを入れるが倉橋の指すであろういくつかの手から考えられる分岐を模索するが不安をとても多く感じていた。
天馬と倉橋の対局が倉橋の長考で局面が動かなくなっていた頃、一輝は学校の授業が終わり、下校準備をしていた。
下校準備をしていた一輝に梢子が声をかける。
「長谷君、帰るの?」
「ああ、って言うよりこれから兄弟子の家に行って、今日の真壁五段と倉橋八段の対局のネットでの生中継を観るんだ」
「アプリだけじゃなくてネットでも中継しているのね、この対局」
「たまにタイトル戦以外の生中継もしているし、平日は中々観れないと思うけどたまには佐藤さんも観るといいと思うよ」
一輝が梢子に生中継の観戦を勧めていると梢子からある事を知らさられる。
「そうね、私も時間が合えば観てみるわ。そうだ、さっきメールを見たら林原先生から研修会試験の日程が送られてきたわ」
「やっと決まったんだ。良かったね」
「うん、ありがとう」
「佐藤さんの実力なら研修会の試験は突破できると思うし頑張って。それじゃあ」
そう言って一輝は教室をあとにし、兄弟子の西田のアパートを目指し、下校する。
一輝が下校すると梢子の友人らしき女子生徒が梢子に話しかけてくる。
「ちょっと、梢子、最近よく長谷君と話す事多くなってるんじゃない?」
「そうそう、あ、もしかして梢子、長谷君と付き合っているの?」
友人達から一輝との関係を突っ込まれて一瞬戸惑うが梢子は可能な限り言葉を噛み砕いて経緯を説明する。
「違うわよ、あのね2人も長谷君が将棋のプロというのは知っているわよね?」
「うん、時々将棋の試合で学校を休んでいるっていうアレの事よね?」
「それで長谷君の先輩のベテランの人から私が研修会っていうのに入る為の師匠を紹介してもらったの」
「研修会?師匠?何の事?」
梢子の発言内容を理解できていない友人に梢子は自身の希望を伝える。
「私ね将棋の女流棋士になりたいの。その為に研修会に入るの」
「何か良く分からないけど、梢子の頑張る事なら応援するよ」
「うん、あたしも」
「ありがとう2人共、結果が出たら教えるわね」
天馬がタイトル挑戦を目指す中、梢子の進路もわずかに道が広げてきたのである。
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