73 / 160
高校2年編
攻めの棋風
しおりを挟む
ウイナビ女子オープン予選準決勝で吉田女流二段と佐藤梢子アマが予選決勝をかけて対局をしている。
戦型は相掛かりとなり、梢子が早くも飛車先の歩を交換する。
これにより吉田女流も飛車先の歩を交換し、互いに飛車先の歩が切れて、飛車が相手陣に直通している状態であり、互いに飛車の成りこみに注意する戦いが始まる。
ここで梢子は5八玉と玉を一段あげる。
それに対し吉田女流は4二玉とする。
相掛かりの特徴として薄い玉形での戦いが起きやすい為、一手のミスが致命的になりやすいので互いに慎重に駒組を進める。
しばらく進むと梢子が少しづつではあるが相手陣を圧迫しはじめ、吉田女流は大駒の飛車と角が少しづつ抑えられていく。
何とか働いてない駒を働かせようと吉田女流は試みるが、その一瞬の隙を突き、梢子の攻めが始まる。
その様子を見て解説の竹田九段が梢子の棋風を見抜き、解説をする。
「この2局だけを見た私の印象ですが、佐藤さんはかなりの攻め将棋ですね」
竹田の言葉を聞き、聞き手の鎌田女帝が詳しく尋ねる。
「どういった部分を見てそう感じましたか?」
「第1に戦型選択ですね、振り飛車相手に右四間エルモは最低限囲ったら攻めに転じますからね。私なんかは振り飛車相手には穴熊か銀冠でじっくり戦う派ですからね」
「私も振り飛車には穴熊にするのが安心しますから先生のおっしゃることは分かります」
「この相掛かりにしたってそうですよ。自分から積極的に主導権を握ろうとしますからね」
竹田が梢子の棋風を解説していると梢子が次々と相手玉に迫っていき、吉田女流は投了の意思を示す。
「負けました」
それを見た鎌田女帝は梢子の勝利を告げる。
「ここで吉田女流二段投了、佐藤アマの勝ちとなりました」
「手数は長いですがこれは詰みですね」
「これにより予選決勝は牧野小夜女流初段と佐藤梢子アマとなりました」
「同年代同士の決勝ですか。非常に楽しみですね」
モニターで梢子が勝利した瞬間を見た小夜は敗北したが会場に残っていた美咲に告げる。
「あの子と決勝でやることになった」
「うん、頑張ってね。あ、そうだあの佐藤さんって子のことを係の人に聞いてみたんだけど、研修会には所属してないんだって」
「え⁉それであんなに強いの、どういうこと?」
「お父さんが将棋道場で教えているらしい話は聞いたけど」
梢子の強さを盤面を通して感じる小夜であったが、タイトル挑戦の為にはつまづくわけにはいかないのだ。
戦型は相掛かりとなり、梢子が早くも飛車先の歩を交換する。
これにより吉田女流も飛車先の歩を交換し、互いに飛車先の歩が切れて、飛車が相手陣に直通している状態であり、互いに飛車の成りこみに注意する戦いが始まる。
ここで梢子は5八玉と玉を一段あげる。
それに対し吉田女流は4二玉とする。
相掛かりの特徴として薄い玉形での戦いが起きやすい為、一手のミスが致命的になりやすいので互いに慎重に駒組を進める。
しばらく進むと梢子が少しづつではあるが相手陣を圧迫しはじめ、吉田女流は大駒の飛車と角が少しづつ抑えられていく。
何とか働いてない駒を働かせようと吉田女流は試みるが、その一瞬の隙を突き、梢子の攻めが始まる。
その様子を見て解説の竹田九段が梢子の棋風を見抜き、解説をする。
「この2局だけを見た私の印象ですが、佐藤さんはかなりの攻め将棋ですね」
竹田の言葉を聞き、聞き手の鎌田女帝が詳しく尋ねる。
「どういった部分を見てそう感じましたか?」
「第1に戦型選択ですね、振り飛車相手に右四間エルモは最低限囲ったら攻めに転じますからね。私なんかは振り飛車相手には穴熊か銀冠でじっくり戦う派ですからね」
「私も振り飛車には穴熊にするのが安心しますから先生のおっしゃることは分かります」
「この相掛かりにしたってそうですよ。自分から積極的に主導権を握ろうとしますからね」
竹田が梢子の棋風を解説していると梢子が次々と相手玉に迫っていき、吉田女流は投了の意思を示す。
「負けました」
それを見た鎌田女帝は梢子の勝利を告げる。
「ここで吉田女流二段投了、佐藤アマの勝ちとなりました」
「手数は長いですがこれは詰みですね」
「これにより予選決勝は牧野小夜女流初段と佐藤梢子アマとなりました」
「同年代同士の決勝ですか。非常に楽しみですね」
モニターで梢子が勝利した瞬間を見た小夜は敗北したが会場に残っていた美咲に告げる。
「あの子と決勝でやることになった」
「うん、頑張ってね。あ、そうだあの佐藤さんって子のことを係の人に聞いてみたんだけど、研修会には所属してないんだって」
「え⁉それであんなに強いの、どういうこと?」
「お父さんが将棋道場で教えているらしい話は聞いたけど」
梢子の強さを盤面を通して感じる小夜であったが、タイトル挑戦の為にはつまづくわけにはいかないのだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる