37 / 160
高校2年編
名人の強さ
しおりを挟む
一輝達が昼食を終え、検討室へと戻ってモニターを確認すると両対局者は既に盤の前に戻っており、対局再開を待っていた。
その頃にはホテルのロビーでは名人戦の大盤解説会が開始しており、賑わっていた。
そして対局は再開され挑戦者の吉住真人八段が一手指す。
その吉住が以前も赤翼名人とタイトル戦で対局したことについて西田が言及する。
「師匠、そう言えば吉住さんは前も赤翼先生とタイトル戦を戦っていましたよね?」
「ああ、2年前の皇座戦でな」
「先に2勝あげたのに、フルセットまで持ち込まれて逆転負けでしたからね」
「あれも決して吉住君が悪かったとわしは思わん。赤翼さんの底力がすさまじかったという話だ」
過去の対局の話にも触れつつ、時間は進むが手はさほど進まず、夕食休憩に入る。
名人戦は2日制タイトル戦で唯一2日目に夕食休憩があるのだ。しかし、30分しかなく、軽食ですませることがほとんどなのだ。
その事にも西田が言及する。
「昼間はピザとかを食べていたけど夜はサンドイッチですよ。えらく差がありますね」
西田の言葉を聞いて、諸見里が一同にある事を伝える。
「今ホテルの人に確認したが、わしらの分の夕食を検討室に持ってきてくれるそうだ、もちろんわしら持ちだが」
「それで何をですか?」
「サンドイッチだ」
「何だ……」
あからさまにがっかりしている西田に対し諸見里は強く言葉を放つ。
「何をがっかりしているんだ!ここのサンドイッチもばかにはできんぞ」
そういうやり取りをしていると、一輝達の元にサンドイッチが運ばれる。
柔らかめのパンに低温で柔らかく調理したチキンと、厚切りのハニーハムが絶妙なバランスではさんであり、一同は美味しく食べていた。
その際に一輝が言葉を発した。
「確かにこんな美味しいサンドイッチは初めてですね」
一輝の言葉に小夜も同意する。
「本当、すごい美味しい」
こだわったサンドイッチを食べ終えると、いよいよここから休みなしの対局が再開される。
ここから終盤戦に突入し吉住八段の攻めが続くが、赤翼玉はなかなか捕まらず寄せきれない。
一手空くと今度は赤翼名人よりの反撃が炸裂し、吉住八段の玉がじわじわと追い込まれていく。
自分の手番に吉住は着衣が乱れた和服の着衣を正し、自身の姿勢も直したうえでその瞬間が訪れる。
「負けました」
そう言って吉住は頭を下げ、赤翼も頭を下げ返す。
名人戦第1局を制し、先勝をあげたのは赤翼名人である。
赤翼名人の勝利が確定した瞬間多くの記者、新聞社、そしてテレビカメラもが対局室へと向かっていった。
この意味とは?
その頃にはホテルのロビーでは名人戦の大盤解説会が開始しており、賑わっていた。
そして対局は再開され挑戦者の吉住真人八段が一手指す。
その吉住が以前も赤翼名人とタイトル戦で対局したことについて西田が言及する。
「師匠、そう言えば吉住さんは前も赤翼先生とタイトル戦を戦っていましたよね?」
「ああ、2年前の皇座戦でな」
「先に2勝あげたのに、フルセットまで持ち込まれて逆転負けでしたからね」
「あれも決して吉住君が悪かったとわしは思わん。赤翼さんの底力がすさまじかったという話だ」
過去の対局の話にも触れつつ、時間は進むが手はさほど進まず、夕食休憩に入る。
名人戦は2日制タイトル戦で唯一2日目に夕食休憩があるのだ。しかし、30分しかなく、軽食ですませることがほとんどなのだ。
その事にも西田が言及する。
「昼間はピザとかを食べていたけど夜はサンドイッチですよ。えらく差がありますね」
西田の言葉を聞いて、諸見里が一同にある事を伝える。
「今ホテルの人に確認したが、わしらの分の夕食を検討室に持ってきてくれるそうだ、もちろんわしら持ちだが」
「それで何をですか?」
「サンドイッチだ」
「何だ……」
あからさまにがっかりしている西田に対し諸見里は強く言葉を放つ。
「何をがっかりしているんだ!ここのサンドイッチもばかにはできんぞ」
そういうやり取りをしていると、一輝達の元にサンドイッチが運ばれる。
柔らかめのパンに低温で柔らかく調理したチキンと、厚切りのハニーハムが絶妙なバランスではさんであり、一同は美味しく食べていた。
その際に一輝が言葉を発した。
「確かにこんな美味しいサンドイッチは初めてですね」
一輝の言葉に小夜も同意する。
「本当、すごい美味しい」
こだわったサンドイッチを食べ終えると、いよいよここから休みなしの対局が再開される。
ここから終盤戦に突入し吉住八段の攻めが続くが、赤翼玉はなかなか捕まらず寄せきれない。
一手空くと今度は赤翼名人よりの反撃が炸裂し、吉住八段の玉がじわじわと追い込まれていく。
自分の手番に吉住は着衣が乱れた和服の着衣を正し、自身の姿勢も直したうえでその瞬間が訪れる。
「負けました」
そう言って吉住は頭を下げ、赤翼も頭を下げ返す。
名人戦第1局を制し、先勝をあげたのは赤翼名人である。
赤翼名人の勝利が確定した瞬間多くの記者、新聞社、そしてテレビカメラもが対局室へと向かっていった。
この意味とは?
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる