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プロ入り後秋から春
戦いを終えて
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夕食休憩は18:00からであり、昼食同様40分休憩である。
現在は18:35だが両対局者ともに既に盤面の前に座っている。
そして再開時刻を迎え、ここからもう止まる事のない戦いが始まる。
とはいえ、残り時間はまだ残っており、一輝の手番である為、一輝も慎重に考える。
夕食休憩前に大駒を切り合ったため、互いに持ち駒に大駒を持っているので一手の間違いは大きく形成を損ねてしまう。
一輝が夕食休憩前に取った銀で6九銀と王手をかけ、加瀬はこれに対し同玉と応じる。
そこから一輝は5八桂成と玉に迫っていくが、ここで加瀬がとった手は3二飛車と一輝の玉に王手をかけた。
そこから互いに攻守を繰り返す局面が続き、終盤の詰む詰まないの部分まで戦いが進んでいった。
そして記録係から一輝に残り時間が告げられる。
「長谷四段、持ち時間を使い切りましたのでこれより1手1分以内でお願いします」
ここで一輝の次の手は加瀬が打った香車に対しどう防ぐかを考え9四銀と指す。
そこから加瀬は2枚の飛車で一輝を追い込んでいき、更に自陣に7七馬と馬を戻して、自玉の守りを盤石にする。残り時間の少ない一輝にとっては良い手が浮かばない。
一輝は上部に脱出し自玉が詰みにくいよう試みるが、加瀬に駒を打たれて脱出ができなくなった。
もはや手がないと悟った一輝は投了の意思を示す。
「負けました」
一輝が頭を下げ、投了の意思を示すと、加瀬も頭を下げる。
公式戦初敗北の一輝は少し呆然としてしまうが、しばらくして落ち着くと感想戦を始める。
両者の感想戦は23:00頃まで続き、終了すると加瀬が駒を片付け、一同が挨拶をする。
「ありがとうございました!」
そして両者ともに帰り支度を始め、それぞれ将棋会館をあとにする。
順調に連勝を重ねていた一輝にとって、突如現れた大きな壁加瀬俊哉。
そんな彼でさえもまだプロの頂点とは程遠いのだ。
一輝は改めてプロの壁の厚さを思い知った。
負けた悔しさはある。だがいつまでも引きずるわけにもいかない。
3回戦で負けた為、本戦トーナメントに出場はできないが、昇級者決定戦で勝ち、来年の5組入りを目指すチャンスは残っており、更に勝ち残っている棋戦や、これから始まる棋戦も戦い抜かなければならない。
一輝のプロ棋士としての人生はまだ始まったばかりなのだ。
しかし、一輝はもう1つの事実に気付いた。
「終電逃した……」
終電を逃した一輝は、自宅に電話し、父親に迎えに来てもらうようお願いしたのであった。
現在は18:35だが両対局者ともに既に盤面の前に座っている。
そして再開時刻を迎え、ここからもう止まる事のない戦いが始まる。
とはいえ、残り時間はまだ残っており、一輝の手番である為、一輝も慎重に考える。
夕食休憩前に大駒を切り合ったため、互いに持ち駒に大駒を持っているので一手の間違いは大きく形成を損ねてしまう。
一輝が夕食休憩前に取った銀で6九銀と王手をかけ、加瀬はこれに対し同玉と応じる。
そこから一輝は5八桂成と玉に迫っていくが、ここで加瀬がとった手は3二飛車と一輝の玉に王手をかけた。
そこから互いに攻守を繰り返す局面が続き、終盤の詰む詰まないの部分まで戦いが進んでいった。
そして記録係から一輝に残り時間が告げられる。
「長谷四段、持ち時間を使い切りましたのでこれより1手1分以内でお願いします」
ここで一輝の次の手は加瀬が打った香車に対しどう防ぐかを考え9四銀と指す。
そこから加瀬は2枚の飛車で一輝を追い込んでいき、更に自陣に7七馬と馬を戻して、自玉の守りを盤石にする。残り時間の少ない一輝にとっては良い手が浮かばない。
一輝は上部に脱出し自玉が詰みにくいよう試みるが、加瀬に駒を打たれて脱出ができなくなった。
もはや手がないと悟った一輝は投了の意思を示す。
「負けました」
一輝が頭を下げ、投了の意思を示すと、加瀬も頭を下げる。
公式戦初敗北の一輝は少し呆然としてしまうが、しばらくして落ち着くと感想戦を始める。
両者の感想戦は23:00頃まで続き、終了すると加瀬が駒を片付け、一同が挨拶をする。
「ありがとうございました!」
そして両者ともに帰り支度を始め、それぞれ将棋会館をあとにする。
順調に連勝を重ねていた一輝にとって、突如現れた大きな壁加瀬俊哉。
そんな彼でさえもまだプロの頂点とは程遠いのだ。
一輝は改めてプロの壁の厚さを思い知った。
負けた悔しさはある。だがいつまでも引きずるわけにもいかない。
3回戦で負けた為、本戦トーナメントに出場はできないが、昇級者決定戦で勝ち、来年の5組入りを目指すチャンスは残っており、更に勝ち残っている棋戦や、これから始まる棋戦も戦い抜かなければならない。
一輝のプロ棋士としての人生はまだ始まったばかりなのだ。
しかし、一輝はもう1つの事実に気付いた。
「終電逃した……」
終電を逃した一輝は、自宅に電話し、父親に迎えに来てもらうようお願いしたのであった。
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