剣しか取り柄がないという事で追放された元冒険者、辺境の村で魔物を討伐すると弟子志願者が続々訪れ剣技道場を開く

burazu

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追放されてからの生活

稽古見学

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 とりあえずビッグアントを村の周辺から追い払う事に成功した俺達はその後も魔物狩りを行い、報酬をもらい、今日は完成した道場でシーナと剣の稽古だ。ジョーンにはとりあえず見学をしてもらう。

「じゃあシーナ、今日は初めての道場での稽古だが、いつものように木剣での打ち込み、そして俺は防御のみに徹するそれでいくぞ」
「はい!今日こそ、師匠から1本取ってみますよ」
「ふふふ、そう簡単にはいかないぞ」

 相変わらず実戦訓練は木剣でシーナに打ち込ませて、俺は防御に徹するという稽古だ。あれからもシーナは俺から1本取れていないが、上達は感じているな。

「頑張れよーーー、シーナ」
「ありがとうございますジョーンさん、見ててください、私の剣技を」
「それじゃあ始めるぞ、どこからでも来い!」

 そう言うとシーナは真正面から向かってくると見せかけて突如進路を左側に変えてきた。フェイントを仕掛けて来たか、シーナも少しは考えるようになったな。

 だが、その動きを見切れない俺ではないぞ。

「あっ!見切られた!」
「ほらほら、それじゃあ俺に一撃なんて入れられないぞ」
「ま、まだまだです、たあ!たあ!」

 思い切り打ち込んできたな、だけど俺にとってはこれくらい防ぐのも造作はないな。

 そしてその後もシーナは様々な方法で打ち込んでくるが、とうとう俺に一撃は加えられなかった。

「はあはあ、参りました」
「残念だったが、筋は良くなってきているな、防御に徹したら1本取られるのも時間の問題だな」
「あ!それじゃあ、その時は奥義を教えていただけるんですか?」
「いや、それはまた別の話だ」

 やたら奥義にこだわるシーナだが、そこにはちゃんとストップをかけておかないと暴走しかねないから釘をさすとシーナは抗議をしてくる。

「どうしてですかーーー、最初は一撃入れたら教えてくれるって言ったじゃないですかーーー」
「あのな、そりゃあ初見で俺に一撃を入れられたら教える見込みはあるだろうけど、シーナは結構時間がかかっているしな」
「えーーーー!」
「ところでジョーン、さっきの俺とシーナの立ち合いを見てどう思った?」
「どう思ったって、そうだなあんたは最小限の動きで防御をしていて体力の消耗を抑えていたし、逆にシーナはなんていうか予備動作が多いんだよな」
「えーーーー!でもジョーンさん槍以外の武器の扱いは苦手なんですよね、そんなジョーンさんに言われても」
「そう来るか、なあせめてその木剣の素振りをさせてくれねえか、あんたの教えはいらねえ自主訓練だ」
「自主訓練か、その事だがジョーン明日から稽古に加わってみないか?」

 俺はとっくにジョーンは稽古に加えてもいいと思っていた。その事を話さないとな。
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