剣しか取り柄がないという事で追放された元冒険者、辺境の村で魔物を討伐すると弟子志願者が続々訪れ剣技道場を開く

burazu

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追放されてからの生活

シーナの同席

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 ついに領主様の遣いとの報酬の交渉の日がやって来て、間もなく村に到着するようだし、ここはシーナも呼んできて、交渉に同席してもらわないといけない。一応道場建設はシーナの希望だし、それはシーナの口から伝えてもらわないとな。

 そう考えて俺はシーナを呼びに森の方まで行くが、森からすぐにシーナが出てきた。

「あ、師匠、おはようございます。もしかしてもう遣いの方がこられたんですか?」
「おはよう、いや、ただもうすぐ来るらしいから、今の間に村長の家に来てくれるか?」
「村長さんの家ですね、分かりました。すぐに参ります」

 そう言って、シーナは俺と共に村長の家まで行き、その途中でシーナは俺に疑問をぶつける。

「でもどうして村長さんの家なんですか?」
「外で立ち話をさせるわけにはいかないし、この村には大きな建物もないからお客さんをもてなすには結局村長の家が一番いいって事になるんだ」

 村長の家で領主様の遣いと交渉する理由を説明している内に俺とシーナは村長の家に到着し、シーナが村長に声をかける。

「村長さん、おはようございます」
「シーナちゃんおはよう、やっぱり交渉に同席するんじゃな」
「はい、道場を作ってもらいたいですし、道場がないとなかなか稽古もつけてもらえませんし」
「ハハハ、まあ、その辺りを聞いてもらえるといいな」

 道場うんぬんははっきり言ってシーナがしたいと言っているから聞いているだけで、俺はシーナにも屋根のある家で住んで欲しいだけだからな、もちろん剣の稽古をつけること自体に不満はないけどな。

 お、そう考えていると何やら護衛の兵に守られている人が俺達に近づいてきた。

「貴殿が、ドラゴンを討伐したリッキー殿だな?」
「はい」
「お初お目にかかる、私は領主様の遣いで参上したユウと申す、早速ではあるが貴殿のドラゴン討伐の報酬について話がしたい」
「あ、はい、分かりましたお願いします」
「村長、お宅をお借りできるか?」
「あ、はい、どうぞこちらへ」

 村長が自分の家にこのユウという遣いを案内しようとすると俺はシーナを紹介する。

「あ、すいません、彼女も同席させていただいてもいいですか?」
「彼女は?見たところエルフのようだが」
「初めまして私はエルフのシーナと申します」
「彼女もドラゴン退治に一役買ってくれたので同席させていただきたいんですが」
「そういえば兵隊長よりエルフの少女がいたという報告があったな、よかろう許可する」
「ありがとうございます、さあ、師匠行きましょう!」

 とりあえずシーナの同席も決まり、いよいよ報酬の交渉が始まる。
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