剣しか取り柄がないという事で追放された元冒険者、辺境の村で魔物を討伐すると弟子志願者が続々訪れ剣技道場を開く

burazu

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追放されてからの生活

村での生活

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 勇者スキルを持つ幼馴染のマルスに冒険者パーティーを追放され、更に自ら冒険者の資格を返却してから数か月経ち、俺は冒険者ギルドから遠い村で暮らしており、農業をしながら暮らしていた。

 元々の生まれの村でも実家の野菜作りを手伝っていたし、土地が少し余っていて格安で譲ってくれたのも幸いした。

 そして今俺は自分で作った野菜を売りながら生計を立てている。幸いこの村、そして市場のある近隣の街ではマルスの名は知られていても俺の名は伝わていなかった。

 冒険者をもしまだやっていたら少し悲しかったかもしれないが、この状況は今の俺には都合がいい。

「いやあ、しかしリッキーさんの作る野菜は評判が良くてね、料理店とかで欲しいという声が多数だよ」
「そうなのか、そいつはありがたいな」

 俺が話しているおっさんは商人ギルドに所属している仲介者で少し面倒だがこの人を通して野菜の売買をしている。

 まあ、多少手間はかかるが欲しい人にしっかりと野菜が届きわたっているようで、俺にもちゃんと代金は入ってくるし言う事はないな。

 そう考えながら俺は荷車を引いて、村に戻り、自分の家へと帰った。

 しばらく季節の関係で野菜作りは休止だが、俺はここでもう1つの仕事をしている。

「リッキーさん、わしの畑の野菜を魔物の奴が食っちまった、どうにかならねえか?」
「その魔物はどんな奴か分かるか?」
「確か、オオカミみたいな奴だったな」
「東の森に生息するベアウルフだな、群れを見つけて退治してくる」
「おお、頼んだぞ」

 この村や近隣の街は冒険者ギルドに依頼をするほどの金がなく、時々食料荒らし、場合によっては人も襲う魔物に悩まされていたが、剣の腕を活かして魔物を討伐し、さっきの商人ギルドのおっさんに魔物の部位を売ってそれも生計を立てるもう1つの仕事だ。

 幸いこの周辺の魔物は俺が冒険者をしている頃に戦った魔物と比較しても大したことはなく、俺にとってはある意味農業よりも楽な仕事だ。

 そんなこんなで収入は冒険者時代より減ったが気楽な生活を送っている俺に突如大事件が発生した。

「大変だリッキーさん、ちょっとあんたに討伐依頼をしたい!」
「また畑荒らしか、それとも人を襲った魔物か!」
「そ、そのドラゴンがこっちに向かってきているようだ、何とかできねえか?」
「ド、ドラゴンだってえええ!」

 まさかのドラゴン退治、突然俺に大きな仕事が舞い込んできたが、これをきっかけに俺の気楽な生活は一変すろのであった。
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