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【第4話】特殊部隊全員集合!
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「……ってことなんだ。」
ふむふむなるほどなるほど…………ってなるかーい!
ミカの話をざっくりさせると、私はなぜかミカ達の国ーリュミエール王国ーと戦争中の国ーシュヴェルツェ王国 ーの人に襲われていて、みんなは私を救出してくれていたらしい。
でもミカとレンは元々リュミエール王国の人じゃない、また別の世界の国の使者?なんだって。今はリュミエール王国と同盟を結んでいて協力しているらしい。ここにいるみんな、ミカ、ガク、アミ、ロロと、ここにはいないけどあと3人は特殊部隊って言う特別な部隊で、魔物や、敵から国民を守るために戦っているとか。なんかちっちゃい頃に見てたアニメのアレみたいと思ったのは言わないでおこう。
そして私がいた世界…地球でいいのかな?とも違う、この世には実は色んな世界があるんだって。
信じられないけど、この人達の話が本当だとしたら、本当に誘拐されたんじゃなくて保護してもらってるという事になる…。それに魔法とかいろんな世界とか魔物とか………めっちゃファンタジーやん。
「本当に…?」
まじでこれ夢じゃないの?恐る恐る聞いてみると、ミカは優しく微笑み、ガクも当然だというように頷いていた。
「でも…」
「信じられないよな。」
消えかけた言葉を読んだのか、ガクが私の後に続けた。
「俺も初めて聞いた時は全然信じられなかったからな。魔力が存在しない世界があるなんて。」
そうか、ガク達からしたらあるはずの魔法がない世界は信じられないのか。有るはずのものが無いんだからそれはびっくりするよね。
「ガク達からしたら、ゲームがない世界に来たのと同じようなものってことかぁー。」
とんでもないことだ。私なら耐えられないわ。
「そうだな。魔力がないなんてどんな不便な生活してる世界なのかと思ってた。」
懐かしい物を思い出そうとしているような顔で、ガクは言った。
「うん。でも実際に来てみると魔力が無くてもいろんな機械で代用されてて本当にびっくりしたよね。」
続けてミカも目を輝かせながら言った。
そうかー、魔法の代わりに電気とか色々発達したって事なのかな。スマホとかって、みたことない人からしたら魔法で動いてるように見えるかも!実際私はそうだった。
「こっちの世界には、電気は使われていないって事?」
「うん。電気はないね。使う必要があんまりないからかな。」
へーぇ…電気を使う必要がないなんて贅沢だなぁ。私も電気使わなくてよかったら電気代が……なんてぼーっと考えていたら、いつの間にか時間が過ぎていたようだ。
「そろそろショウ達も返って来る頃じゃないかな。」
ショウは特殊部隊のリーダーみたいな人で、まとめ役だという。今は私の家の人に、一時的に保護してる事を伝えてくれてるらしい。ミナという女の子も一緒に行ったみたい。あと、レンというミカの双子の弟は、国のお偉いさんたちにさっき会ったことを詳しく報告するために出かけているんだって。この3人が帰ってきたら特殊部隊全員集合ってわけだ。
ショウって人達はお母さんに会ったんだ。お母さんも驚くだろうなぁ~魔法があるなんて。
と、考えていると、またもやドアが開き、サラサラの黒髪で賢そうな目をした男の人と、少し茶色がかった髪に、シュッとした輪郭の女の人、癖っ毛なのか少し跳ねてる、こちらは薄めの茶髪の男の人が入ってきた。例の3人かな?
おかえり!と、ミカやロロ達が出迎え、それに3人はただいまと笑顔で答える。
「目を覚ましたんだね。」
「元気そうでよかった。」
「気分はどう?」
3人とも私の身を安じてくれていたみたいだ。
ちょっと嬉しい。私も優しい笑顔を意識しながら言葉を返す。
「ありがとう。えーっと、なんて呼べばいいかな?ですか?」
年上か年下かもわからないから慌てて丁寧語を付け足した。
「あぁ、まずは自己紹介だったね。僕はショウ。ショウでいいよ。よろしくね。」
「ミナよ。私も呼び捨てでいいわ。気軽に呼んでちょうだい。」
「レンです。よろしく。僕もレンで良いよ。」
君はリラちゃんだね、とショウがいった。
私はそれに頷き、呼び捨てでいいよと答える。なんで名前を知っているかなんて聞く必要はないね。
ショウは賢そうな人、ミナが女の子、レンが癖っ毛の人だ。
ショウとミナとレン、3人ともいい人そうだ。ショウは言われていた通りとてもしっかりしてそうな人で、ミナも頼りになるお姉さんみたいな雰囲気、レンは少し頼りなさそうだけどミカによく似ていてとても優しそう。
「それで、どうだった?」
みんな、2人の報告を早く聴きたいらしく、待ってましたと言わんばかりに問い詰め始める。
「うん。リラちゃんのお母様がいらっしゃったから、状況をある程度報告して、しばらくここで保護することも伝えておいたよ。」
「あの人はリラの魔力の事は知っていたようだった。よろしく頼むって言われた。」
ま、まじか!!なんでお母さん知ってんの?!びっくりなんだけど?!
「そうか。一体何者なんだ…」
ガクも少し驚いたようで、眉間にしわを寄せて考えている。
「魔力がないはずの世界に魔力を持つ人がすんでいるとはね。」
魔法の存在を知っておきながらお母さんは17年間そのことをずーっと秘密にしていたのか。なんで?
魔法なんて、おとぎ話みたいなもので今までずっと憧れてきてはいたけど…
「リラちゃんは今まで自分とか、お母さんの魔力を感じた…みたいなことなかったの?」
ミカが不思議そうな顔で問いかけてきた。うーん…そんな感じがどんな感じかわかんないけど感じてなかったと思うー…な。
「そもそもわかんないよ…」
全然わかんない、っていうアピールで首を振る。
「僕は魔力がすごい人の近くにいると変な感じがするよ!」
「アミもー!」
変な感じ…か。別に感じたことないなー。お母さんのそばにいたら安心するけどそれはちがうよね。んーわっかんないよー。
「まあ、魔力を抑える道具みたいなの持ってたんだろ?なら気づかないのも当たり前かもな。」
「そんなの持ってたっけ?」
心当たりがないな。なんのことだろう?
「いや、持ってるはずだよ。リラちゃんはお母さんのそばを長時間離れて学校とかに行っていたでしょ?長時間離れた距離から魔力を封じる魔法をかけることはとても難しいんだ。ましてや毎日となるとよけいね。」
たしかに毎日休まず学校行ってるね。私、偉いから。
「魔力の消費も激しいしな。」
「となるとやっぱり道具を使うしかないんだ。」
道具…道具ねぇ……そういう特別な道具ってファンタジーの世界ではよくネックレスとかブレスレットとか可愛いアクセサリーになってるよね。
私、そういうのはすぐなくすから持ってないんだよなぁー。
「あ、ねえねえ、道具ってすっごく小さいものでもいいの?」
そういえば昔から肌身離さず持っているものならある。
「あぁ、魔道具は色んなものがあるからな。」
そうなのか。それならいっつもリュックのちっさいポッケに入りっぱなしのなんかのお守りかな?
「あれ?私のリュックは?」
あそこに入ってるんだけどそもそもリュックがなかったら話にならんぞ?
「あ、それならここにあるよ。」
はい、とレンが持ってきてくれた。よかった。盗まれたりはしてなかった。ほっと息をついて、小さいポッケから古ぼけたお守りを取り出す。
「これかなぁ?」
「どれどれ」
お守りをショウに手渡し、注意深くそれを観察しているショウを見守る。そこにいるみんなも、次に発せられるショウの言葉を静かに待っていた。
てかこういうのってパッとみでわかるもんじゃないんだね。
「うーん…これはちょっと違うかな。まったくなにも感じられない。」
えー!まじか。神様の御加護とかないの…?全員がすこし残念そうに肩を落とした。私も残念だけどなんでみんなががっかりするのかよくわかんない。
他には?と、次の物を出すように促される。
「いやー…今持ってるものならもうないよ。」
私そもそも物持ちよくないんだよ。
そこでガクが何か思いついたように声をあげた。
「あいつらに見つかったってことはその道具の効果がなくなってたってことだろ。第1今、こいつの魔力は存在を主張しまくってる。」
「ほんとだ!何でこんなことに気づかなかったんだろう。」
「あははっ、みんな戦いで頭が疲れてたんだね☆」
そうじゃん!!魔力を抑えるための道具のはずなのに、それなら意味ないじゃん。今まで隠せてたのが急にその効果が無くなったってことは…
「おまえ、最近なんか物壊しただろ。それかどっかやったか?」
んな!そんなことなーーー…
「あーーーーっ!!そういえば今朝見たとき、筆箱につけてたストラップの先っちょが無くなってたね!」
私にしてはずいぶん珍しく、ちっちゃい頃にお母さんにもらって、学校に持っていくようの筆箱と、出かける時に必ず持っていくカバンにつけていたんだった。色違いで2つ持ってたんだよね。
でも今朝見てみたら、筆箱につけてた方の先っちょがなくなってて紐だけになってたんだ。そんなことはよくあるから、今回もあーあで済ませちゃってたな。
「それじゃん…。」
「はぁ…。」
あれなのかー…普通のストラップなんだけどなぁ。どこいっちゃったのか。
「じゃあさ、これは?同じやつなはずだけど意味ないの?」
色違いの、カバンにつけていたものをショウにみせる。こっちにも何かしらあってもおかしくはないと思うんだけど。
「うーん…こっちは特になさそうだね。」
なーんだ。ただの飾りかぁ。
あ、とミナが突然思いついたように声をあげた。
「これ、持ち主になんらかの異常があったらどこかに情報を伝える細工がしてあるものかも。」
ええぇっ?!ナニソレ…んん??
つまり…私に異常が現れると、自動的にお母さんに通知が行く……ってこと??
「なるほどな。そういうことか。」
「リラが襲われた時、きっと君のお母様は気づいていてすぐに助けようと思っていた。だけど敵は時空の裂け目を作っていた。」
納得したようにショウが喋り出した。
「だから助けに行けなかったんだ。時空の裂け目からは信号が届かなかったんだね。」
それにレンもゆっくりと続ける。なるほど…
「俺たちがあいつと戦っていた時、微かにだが遠くの方から魔力を感じた。初めはそれが逃げたあの女かと思っていたが…」
「それは君のお母様だったんだ。あの人も僕らの魔力を感じ取っていて、きっと自分の存在を知らせるために魔力をわざと放出してたんだろうね。」
ほー…魔力を感じ取りあったってことか…?ふーん。私は本当にへーって感じだったけれど、他のみんなはなるほどなるほど、と随分とスッキリした顔をしていた。
私はもう…頭が追いつきません!!
ふむふむなるほどなるほど…………ってなるかーい!
ミカの話をざっくりさせると、私はなぜかミカ達の国ーリュミエール王国ーと戦争中の国ーシュヴェルツェ王国 ーの人に襲われていて、みんなは私を救出してくれていたらしい。
でもミカとレンは元々リュミエール王国の人じゃない、また別の世界の国の使者?なんだって。今はリュミエール王国と同盟を結んでいて協力しているらしい。ここにいるみんな、ミカ、ガク、アミ、ロロと、ここにはいないけどあと3人は特殊部隊って言う特別な部隊で、魔物や、敵から国民を守るために戦っているとか。なんかちっちゃい頃に見てたアニメのアレみたいと思ったのは言わないでおこう。
そして私がいた世界…地球でいいのかな?とも違う、この世には実は色んな世界があるんだって。
信じられないけど、この人達の話が本当だとしたら、本当に誘拐されたんじゃなくて保護してもらってるという事になる…。それに魔法とかいろんな世界とか魔物とか………めっちゃファンタジーやん。
「本当に…?」
まじでこれ夢じゃないの?恐る恐る聞いてみると、ミカは優しく微笑み、ガクも当然だというように頷いていた。
「でも…」
「信じられないよな。」
消えかけた言葉を読んだのか、ガクが私の後に続けた。
「俺も初めて聞いた時は全然信じられなかったからな。魔力が存在しない世界があるなんて。」
そうか、ガク達からしたらあるはずの魔法がない世界は信じられないのか。有るはずのものが無いんだからそれはびっくりするよね。
「ガク達からしたら、ゲームがない世界に来たのと同じようなものってことかぁー。」
とんでもないことだ。私なら耐えられないわ。
「そうだな。魔力がないなんてどんな不便な生活してる世界なのかと思ってた。」
懐かしい物を思い出そうとしているような顔で、ガクは言った。
「うん。でも実際に来てみると魔力が無くてもいろんな機械で代用されてて本当にびっくりしたよね。」
続けてミカも目を輝かせながら言った。
そうかー、魔法の代わりに電気とか色々発達したって事なのかな。スマホとかって、みたことない人からしたら魔法で動いてるように見えるかも!実際私はそうだった。
「こっちの世界には、電気は使われていないって事?」
「うん。電気はないね。使う必要があんまりないからかな。」
へーぇ…電気を使う必要がないなんて贅沢だなぁ。私も電気使わなくてよかったら電気代が……なんてぼーっと考えていたら、いつの間にか時間が過ぎていたようだ。
「そろそろショウ達も返って来る頃じゃないかな。」
ショウは特殊部隊のリーダーみたいな人で、まとめ役だという。今は私の家の人に、一時的に保護してる事を伝えてくれてるらしい。ミナという女の子も一緒に行ったみたい。あと、レンというミカの双子の弟は、国のお偉いさんたちにさっき会ったことを詳しく報告するために出かけているんだって。この3人が帰ってきたら特殊部隊全員集合ってわけだ。
ショウって人達はお母さんに会ったんだ。お母さんも驚くだろうなぁ~魔法があるなんて。
と、考えていると、またもやドアが開き、サラサラの黒髪で賢そうな目をした男の人と、少し茶色がかった髪に、シュッとした輪郭の女の人、癖っ毛なのか少し跳ねてる、こちらは薄めの茶髪の男の人が入ってきた。例の3人かな?
おかえり!と、ミカやロロ達が出迎え、それに3人はただいまと笑顔で答える。
「目を覚ましたんだね。」
「元気そうでよかった。」
「気分はどう?」
3人とも私の身を安じてくれていたみたいだ。
ちょっと嬉しい。私も優しい笑顔を意識しながら言葉を返す。
「ありがとう。えーっと、なんて呼べばいいかな?ですか?」
年上か年下かもわからないから慌てて丁寧語を付け足した。
「あぁ、まずは自己紹介だったね。僕はショウ。ショウでいいよ。よろしくね。」
「ミナよ。私も呼び捨てでいいわ。気軽に呼んでちょうだい。」
「レンです。よろしく。僕もレンで良いよ。」
君はリラちゃんだね、とショウがいった。
私はそれに頷き、呼び捨てでいいよと答える。なんで名前を知っているかなんて聞く必要はないね。
ショウは賢そうな人、ミナが女の子、レンが癖っ毛の人だ。
ショウとミナとレン、3人ともいい人そうだ。ショウは言われていた通りとてもしっかりしてそうな人で、ミナも頼りになるお姉さんみたいな雰囲気、レンは少し頼りなさそうだけどミカによく似ていてとても優しそう。
「それで、どうだった?」
みんな、2人の報告を早く聴きたいらしく、待ってましたと言わんばかりに問い詰め始める。
「うん。リラちゃんのお母様がいらっしゃったから、状況をある程度報告して、しばらくここで保護することも伝えておいたよ。」
「あの人はリラの魔力の事は知っていたようだった。よろしく頼むって言われた。」
ま、まじか!!なんでお母さん知ってんの?!びっくりなんだけど?!
「そうか。一体何者なんだ…」
ガクも少し驚いたようで、眉間にしわを寄せて考えている。
「魔力がないはずの世界に魔力を持つ人がすんでいるとはね。」
魔法の存在を知っておきながらお母さんは17年間そのことをずーっと秘密にしていたのか。なんで?
魔法なんて、おとぎ話みたいなもので今までずっと憧れてきてはいたけど…
「リラちゃんは今まで自分とか、お母さんの魔力を感じた…みたいなことなかったの?」
ミカが不思議そうな顔で問いかけてきた。うーん…そんな感じがどんな感じかわかんないけど感じてなかったと思うー…な。
「そもそもわかんないよ…」
全然わかんない、っていうアピールで首を振る。
「僕は魔力がすごい人の近くにいると変な感じがするよ!」
「アミもー!」
変な感じ…か。別に感じたことないなー。お母さんのそばにいたら安心するけどそれはちがうよね。んーわっかんないよー。
「まあ、魔力を抑える道具みたいなの持ってたんだろ?なら気づかないのも当たり前かもな。」
「そんなの持ってたっけ?」
心当たりがないな。なんのことだろう?
「いや、持ってるはずだよ。リラちゃんはお母さんのそばを長時間離れて学校とかに行っていたでしょ?長時間離れた距離から魔力を封じる魔法をかけることはとても難しいんだ。ましてや毎日となるとよけいね。」
たしかに毎日休まず学校行ってるね。私、偉いから。
「魔力の消費も激しいしな。」
「となるとやっぱり道具を使うしかないんだ。」
道具…道具ねぇ……そういう特別な道具ってファンタジーの世界ではよくネックレスとかブレスレットとか可愛いアクセサリーになってるよね。
私、そういうのはすぐなくすから持ってないんだよなぁー。
「あ、ねえねえ、道具ってすっごく小さいものでもいいの?」
そういえば昔から肌身離さず持っているものならある。
「あぁ、魔道具は色んなものがあるからな。」
そうなのか。それならいっつもリュックのちっさいポッケに入りっぱなしのなんかのお守りかな?
「あれ?私のリュックは?」
あそこに入ってるんだけどそもそもリュックがなかったら話にならんぞ?
「あ、それならここにあるよ。」
はい、とレンが持ってきてくれた。よかった。盗まれたりはしてなかった。ほっと息をついて、小さいポッケから古ぼけたお守りを取り出す。
「これかなぁ?」
「どれどれ」
お守りをショウに手渡し、注意深くそれを観察しているショウを見守る。そこにいるみんなも、次に発せられるショウの言葉を静かに待っていた。
てかこういうのってパッとみでわかるもんじゃないんだね。
「うーん…これはちょっと違うかな。まったくなにも感じられない。」
えー!まじか。神様の御加護とかないの…?全員がすこし残念そうに肩を落とした。私も残念だけどなんでみんなががっかりするのかよくわかんない。
他には?と、次の物を出すように促される。
「いやー…今持ってるものならもうないよ。」
私そもそも物持ちよくないんだよ。
そこでガクが何か思いついたように声をあげた。
「あいつらに見つかったってことはその道具の効果がなくなってたってことだろ。第1今、こいつの魔力は存在を主張しまくってる。」
「ほんとだ!何でこんなことに気づかなかったんだろう。」
「あははっ、みんな戦いで頭が疲れてたんだね☆」
そうじゃん!!魔力を抑えるための道具のはずなのに、それなら意味ないじゃん。今まで隠せてたのが急にその効果が無くなったってことは…
「おまえ、最近なんか物壊しただろ。それかどっかやったか?」
んな!そんなことなーーー…
「あーーーーっ!!そういえば今朝見たとき、筆箱につけてたストラップの先っちょが無くなってたね!」
私にしてはずいぶん珍しく、ちっちゃい頃にお母さんにもらって、学校に持っていくようの筆箱と、出かける時に必ず持っていくカバンにつけていたんだった。色違いで2つ持ってたんだよね。
でも今朝見てみたら、筆箱につけてた方の先っちょがなくなってて紐だけになってたんだ。そんなことはよくあるから、今回もあーあで済ませちゃってたな。
「それじゃん…。」
「はぁ…。」
あれなのかー…普通のストラップなんだけどなぁ。どこいっちゃったのか。
「じゃあさ、これは?同じやつなはずだけど意味ないの?」
色違いの、カバンにつけていたものをショウにみせる。こっちにも何かしらあってもおかしくはないと思うんだけど。
「うーん…こっちは特になさそうだね。」
なーんだ。ただの飾りかぁ。
あ、とミナが突然思いついたように声をあげた。
「これ、持ち主になんらかの異常があったらどこかに情報を伝える細工がしてあるものかも。」
ええぇっ?!ナニソレ…んん??
つまり…私に異常が現れると、自動的にお母さんに通知が行く……ってこと??
「なるほどな。そういうことか。」
「リラが襲われた時、きっと君のお母様は気づいていてすぐに助けようと思っていた。だけど敵は時空の裂け目を作っていた。」
納得したようにショウが喋り出した。
「だから助けに行けなかったんだ。時空の裂け目からは信号が届かなかったんだね。」
それにレンもゆっくりと続ける。なるほど…
「俺たちがあいつと戦っていた時、微かにだが遠くの方から魔力を感じた。初めはそれが逃げたあの女かと思っていたが…」
「それは君のお母様だったんだ。あの人も僕らの魔力を感じ取っていて、きっと自分の存在を知らせるために魔力をわざと放出してたんだろうね。」
ほー…魔力を感じ取りあったってことか…?ふーん。私は本当にへーって感じだったけれど、他のみんなはなるほどなるほど、と随分とスッキリした顔をしていた。
私はもう…頭が追いつきません!!
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