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嬉しい転生【彩音の場合】
2.抱いてください!
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「え」
ちら、と上目に覗き見ると、ルイ先輩が真っ赤になって片手で口元を覆ってる。
(あぁ、ルイ先輩の赤面…!素敵…!)
と、いうか夢なら最初からベッドシーンでも良かったくらいなんだけどなー。
でもこの甘酸っぱさ、いい…!こんな高校生活、体験出来なかったもん。あぁ、幸せだぁ。
「な、何故、君は急にそんな…?」
「私、ずっと大河内先輩のこと見てたんです…!こんなこと言ったら引かれちゃうかもしれないですけど、10年以上前から大好きなんです…!」
あ、正直に言いすぎた。
「10年…?そんな前から…。あ、君もジュニアコンクールに出てたのかい…?」
「そ、そうなんです!
私中学生で一度ピアノを諦めちゃったんですけど、でも大河内先輩の音を聞いて、やっぱりピアノの素晴らしさを思い出して…」
う、感極まって涙が止まらない。制服のポケットからハンカチを出すと、涙を拭った。
「お、お付き合いなんて、これから留学の予定のある先輩になんて言えません…。でも一度でいいんです…。大好きなんです…!」
「君、神崎さん、だよね…?」
「はい、神崎彩音です…」
じっと上目遣いにルイ先輩を見つめる。
(うーん、ダメかなー?ルイ先輩とエッチなんて夢でも叶わないかなー?)
「…」
「…」
うっ沈黙が重い。でも即拒絶されないっていうことは脈ありかな?よし!もうひと押し!
「…っ」
私は思い切って、ルイ先輩の胸に飛び込んだ。
「神崎さん…」
「迷惑だって分かってます、でもずっと、ずっと好きだったんです…!」
(あ…)
ルイ先輩は私をそっと抱きしめてくれた。
普段の自分じゃ絶対できないような積極的なことしちゃったくせに、恥ずかしくて顔があげられない。ドキドキと高鳴る鼓動が苦しい。そしてルイ先輩の香りを感じながら、絶対この匂いを忘れたくないと強く思った。
「先輩…」
ルイ先輩にぎゅっと抱きついてみた。うぅう鼻血出るかも…至福…。すると、頭上に大きなため息が降ってきた。
(やっぱりダメかな…?)
「…今日、僕の部屋、来る…?」
私は一も二もなく頷いた。
◇◇◇◇◇
学園を出て、ルイ先輩と並んで歩いた。
蝉の声が響く、まだ日が高い中、街路樹の木陰を選んで二人で歩いていると、こみ上げる想いに胸が苦しくなった。
あぁ、夢から覚めてもこの風景を、この気持ちを忘れたくない。この気持ちがあれば、これからも生きていける。
ルイ先輩は学園から徒歩圏内にある、音大生や学園に通う生徒向けの防音のマンションに一人で住んでいる。去年まではお姉さんと二人暮らしだったけど、同じ学園に通っていたお姉さんは卒業して今は海外に音楽留学している。
ルイ先輩も来年卒業して学園の付属の音大に特待生として進んだあとは、すぐドイツの大学に留学する予定だ。
ピッ
セキュリティキーを開けて、マンションの中に進む。エレベーターに乗り込み、何も話さないルイ先輩をちらりと見上げた。
(もしかして、後悔してるかな…でも…)
う、緊張のあまり、涙がまたこみ上げてきた…。でもこれまでの経験上、あんまり夢で興奮しすぎると、目が覚めちゃう。
今は絶対目を覚ましたくない!何度それで惜しい思いをしたことか!
私はすーはーと大きく深呼吸した。
「ふ…」
ふいに笑いをかみ殺した声がした。る…ルイ先輩に笑われちゃった…!恥ずかしい…。するとエレベーターが6階に止まった。
「こっち」
ルイ先輩に腰を抱くように促されて、エレベーターを降りる。そして先輩はすぐ前の部屋の扉の鍵を開けた。
「お邪魔します…」
そっと部屋の中に入ると、さっき嗅いだルイ先輩の香りがした。
もちろん初めてくるけど、この部屋の間取りだって完璧だ。ルイ先輩のイベントで、雨の日にお邪魔したことがある。
玄関を入って水回りのある廊下をこえ、扉を開けると手前がキッチン、奥が大きな掃出し窓のベランダがあるリビングダイニングだ。
右手にある手前の部屋は扉が閉まっているけど防音室になっていて、なんとベヒシュタインのアップライト・ピアノがある…!
あぁ!あのルイ先輩のイベントで聞いたショパン…!
雨の日は必ずといっていいほど、あの日のスチルのルイ先輩と共に脳内再生される。
右手の奥の部屋はルイ先輩の寝室で、引き戸は開いたままだ。
(あぁあ、最高すぎて鼻血が…。いやいや、ここはゆっくり深呼吸…)
ルイ先輩はリビングのソファに鞄をおくと、エアコンのスイッチを付けた。
「うーんと、何か飲む?」
「い、いえ…大丈夫です…」
「そっか。う、んと…じゃあ、先にシャワーとか浴びる?」
「!!は、はい…!」
タオルを渡され、洗面所に通された。中のシャンプーやボディソープの説明を一通りされると「じゃ」とルイ先輩は行ってしまった。な…慣れてない…?まぁいっか、夢だし。
わ、私だってセックスの経験くらい!
…いや、あるけど…、もう8年も前に大学の先輩と一度酔った勢いであっただけだな…。しかもその後「ごめん、間違えたわ」って言われたんだっけ…人の処女奪っておいて間違えたってなんだよ、おい…。
って、こんな所で思い出し怒りに震えたってしょうがない。
落ち着け、自分。
そして??こういう時って、髪は洗うの?顔は?身体だけ??
そしてどういう格好で部屋に戻るのが正解なの??こんな時のシャワーにあんまり時間かかってもダメだよね?
どうせ脱ぐから下着はつけずに行くの?制服で戻るのも間抜けだし…。
でも間違えた時の痴女っぽさったらなくない?やる気満々じゃん!って。でも夢だからいいのかな?
え、ヤバい、ググりたい。あ、スマホはリビングの鞄の中だ…。
って、今日の下着は水色…!え、こういう時ってピンクや白なんじゃ…!?それとも誘うくらいだったんだから黒だった…!?
…とりあえず胸元までの長さの髪をまとめて結い上げて、身体を洗い、ブラは付けずにショーツだけつけてタオルを巻いて、そろっとリビングに戻った。
ちら、と上目に覗き見ると、ルイ先輩が真っ赤になって片手で口元を覆ってる。
(あぁ、ルイ先輩の赤面…!素敵…!)
と、いうか夢なら最初からベッドシーンでも良かったくらいなんだけどなー。
でもこの甘酸っぱさ、いい…!こんな高校生活、体験出来なかったもん。あぁ、幸せだぁ。
「な、何故、君は急にそんな…?」
「私、ずっと大河内先輩のこと見てたんです…!こんなこと言ったら引かれちゃうかもしれないですけど、10年以上前から大好きなんです…!」
あ、正直に言いすぎた。
「10年…?そんな前から…。あ、君もジュニアコンクールに出てたのかい…?」
「そ、そうなんです!
私中学生で一度ピアノを諦めちゃったんですけど、でも大河内先輩の音を聞いて、やっぱりピアノの素晴らしさを思い出して…」
う、感極まって涙が止まらない。制服のポケットからハンカチを出すと、涙を拭った。
「お、お付き合いなんて、これから留学の予定のある先輩になんて言えません…。でも一度でいいんです…。大好きなんです…!」
「君、神崎さん、だよね…?」
「はい、神崎彩音です…」
じっと上目遣いにルイ先輩を見つめる。
(うーん、ダメかなー?ルイ先輩とエッチなんて夢でも叶わないかなー?)
「…」
「…」
うっ沈黙が重い。でも即拒絶されないっていうことは脈ありかな?よし!もうひと押し!
「…っ」
私は思い切って、ルイ先輩の胸に飛び込んだ。
「神崎さん…」
「迷惑だって分かってます、でもずっと、ずっと好きだったんです…!」
(あ…)
ルイ先輩は私をそっと抱きしめてくれた。
普段の自分じゃ絶対できないような積極的なことしちゃったくせに、恥ずかしくて顔があげられない。ドキドキと高鳴る鼓動が苦しい。そしてルイ先輩の香りを感じながら、絶対この匂いを忘れたくないと強く思った。
「先輩…」
ルイ先輩にぎゅっと抱きついてみた。うぅう鼻血出るかも…至福…。すると、頭上に大きなため息が降ってきた。
(やっぱりダメかな…?)
「…今日、僕の部屋、来る…?」
私は一も二もなく頷いた。
◇◇◇◇◇
学園を出て、ルイ先輩と並んで歩いた。
蝉の声が響く、まだ日が高い中、街路樹の木陰を選んで二人で歩いていると、こみ上げる想いに胸が苦しくなった。
あぁ、夢から覚めてもこの風景を、この気持ちを忘れたくない。この気持ちがあれば、これからも生きていける。
ルイ先輩は学園から徒歩圏内にある、音大生や学園に通う生徒向けの防音のマンションに一人で住んでいる。去年まではお姉さんと二人暮らしだったけど、同じ学園に通っていたお姉さんは卒業して今は海外に音楽留学している。
ルイ先輩も来年卒業して学園の付属の音大に特待生として進んだあとは、すぐドイツの大学に留学する予定だ。
ピッ
セキュリティキーを開けて、マンションの中に進む。エレベーターに乗り込み、何も話さないルイ先輩をちらりと見上げた。
(もしかして、後悔してるかな…でも…)
う、緊張のあまり、涙がまたこみ上げてきた…。でもこれまでの経験上、あんまり夢で興奮しすぎると、目が覚めちゃう。
今は絶対目を覚ましたくない!何度それで惜しい思いをしたことか!
私はすーはーと大きく深呼吸した。
「ふ…」
ふいに笑いをかみ殺した声がした。る…ルイ先輩に笑われちゃった…!恥ずかしい…。するとエレベーターが6階に止まった。
「こっち」
ルイ先輩に腰を抱くように促されて、エレベーターを降りる。そして先輩はすぐ前の部屋の扉の鍵を開けた。
「お邪魔します…」
そっと部屋の中に入ると、さっき嗅いだルイ先輩の香りがした。
もちろん初めてくるけど、この部屋の間取りだって完璧だ。ルイ先輩のイベントで、雨の日にお邪魔したことがある。
玄関を入って水回りのある廊下をこえ、扉を開けると手前がキッチン、奥が大きな掃出し窓のベランダがあるリビングダイニングだ。
右手にある手前の部屋は扉が閉まっているけど防音室になっていて、なんとベヒシュタインのアップライト・ピアノがある…!
あぁ!あのルイ先輩のイベントで聞いたショパン…!
雨の日は必ずといっていいほど、あの日のスチルのルイ先輩と共に脳内再生される。
右手の奥の部屋はルイ先輩の寝室で、引き戸は開いたままだ。
(あぁあ、最高すぎて鼻血が…。いやいや、ここはゆっくり深呼吸…)
ルイ先輩はリビングのソファに鞄をおくと、エアコンのスイッチを付けた。
「うーんと、何か飲む?」
「い、いえ…大丈夫です…」
「そっか。う、んと…じゃあ、先にシャワーとか浴びる?」
「!!は、はい…!」
タオルを渡され、洗面所に通された。中のシャンプーやボディソープの説明を一通りされると「じゃ」とルイ先輩は行ってしまった。な…慣れてない…?まぁいっか、夢だし。
わ、私だってセックスの経験くらい!
…いや、あるけど…、もう8年も前に大学の先輩と一度酔った勢いであっただけだな…。しかもその後「ごめん、間違えたわ」って言われたんだっけ…人の処女奪っておいて間違えたってなんだよ、おい…。
って、こんな所で思い出し怒りに震えたってしょうがない。
落ち着け、自分。
そして??こういう時って、髪は洗うの?顔は?身体だけ??
そしてどういう格好で部屋に戻るのが正解なの??こんな時のシャワーにあんまり時間かかってもダメだよね?
どうせ脱ぐから下着はつけずに行くの?制服で戻るのも間抜けだし…。
でも間違えた時の痴女っぽさったらなくない?やる気満々じゃん!って。でも夢だからいいのかな?
え、ヤバい、ググりたい。あ、スマホはリビングの鞄の中だ…。
って、今日の下着は水色…!え、こういう時ってピンクや白なんじゃ…!?それとも誘うくらいだったんだから黒だった…!?
…とりあえず胸元までの長さの髪をまとめて結い上げて、身体を洗い、ブラは付けずにショーツだけつけてタオルを巻いて、そろっとリビングに戻った。
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