異世界には智をもって。

１

「・・きて。おきて！」
ひどい頭痛だ。
誰かが呼ぶ声が聞こえる。
だが体調が最悪過ぎて起きれそうにもない。
「怪我が酷い。とりあえず治さなきゃ！回復ヒール」
俺を呼んでいた人が何か言った。
あれ？どんどん体調が良くなってきた・・？頭痛も取れたぞ！
「これで大丈夫なはずだけど。」
俺はそう呟く女性らしき人に体を起こし
「あぁ助かった。ありがとう！」
そう言った。

「あなたはなんでこんなところで倒れているの？」
俺は持ってきたバッグからタオルと水を取出し顔中の血を拭きながらは答える。
「まぁ色々あってな。助けてくれてありがとう。俺の名前は瑛杜エイトだ。」
「この辺では見ない人だったから面白い話が聞けるとおもってね。私の名前はメル。冒険者よ。」
面白い話が聞きたいから助けたのか。
変わってるなこいつ。だが嫌いじゃないぞこういうタイプ。
金髪の美しい髪に整った顔。
青い鎧が良く似合う。
だが疑問がある。
「なぁ。俺をどうやって助けたんだ？」
タオルで拭き取った血は相当な量だし、簡単にふさがるような傷でもなかったはずだ。どうやったんだ？
「そんなの魔法に決まってるでしょ？」
さも当然のようにメルはそう言った。