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0011 愛知 サイカ
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しおりを挟む「アオイちゃん、今度アオイちゃんの彼も誘ってBARでWデートしない?」
『BARでサイカちゃん達と?」
「うん、彼氏のマーシーが言うには、そこのBARへ行くと、人生最大の大当たりを引けるかも知れないんだって」
『大当たり?』
「そう、なんかカクテルっていうお酒じゃない何かが当たると、宝くじの一等賞より凄くて、それを説明したら何故かマーシーは死んじゃうらしく、行ってみてのお楽しみなんだって。どう?」
『何そのミステリー感! 行く行くー。彼のタクちゃんに訊いてみるわ。じゃーねー』
「うん、またね」
ピッ
アオイちゃんとの電話を切った。
同級生だった高校を卒業したアオイちゃんは写真スタジオに就職したカメラマン。わたしは看護師希望の大学2年生。
最近のマイブームはダイっていう作者の漫画。
いつも授業中にダイさんの殺人的な漫画を読み直している。
あと、わたしはジムを運営するクラブの一環で子ども向けの水泳を教えているの。
時給は安いけど、子どもたちの笑顔にやられちゃうからスーキ。
でも治験かぁ。
マーシーはカクテルの治験って言っていた。
わたしは19。本来治験は20歳を越えないと受けれないけど、カクテルは独自の成人認定があるんだって。
カクテルはお酒じゃないらしいから、薬?
わたしは看護師を目指しているから普通の人より薬に関しては詳しい。
でもマーシーはカクテルを他言すると死ぬんだって。
死ぬかもしれない薬なんて国が許可する以前の問題。
それも他言がキッカケで死ぬなんて薬の作用の範疇(はんちゅう)を越えてる。
マーシーはめっちゃ賢いの。
彼の学力なら東京大学はおろか、ハーバードすら楽に入れる。
それに、マーシーの良いところは、そのインテリジェンスを鼻に掛けないの。スーキ。
だけどアオイちゃんの彼のタクちゃんのIQは、マーシーを上回るの。
IQ200。
天才ノーベル賞受賞者、相対性理論でお馴染みのアインシュタインを越えたIQ。
タクちゃんクラスになると、世界大学ランキング1位のカリフォルニア工科大学すら楽勝だけど彼の学歴は高卒。
もはや次元が違う天才。
凡人のわたしはマーシーとデートが出来ればそれでいい。
人の笑顔を見れることが1番スーキ。
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