58 / 71
0010 兵庫 マーシー
58ページ
しおりを挟む「いらっしゃいませー」
なかなかのイケメンと言えるマスターが、カウンターへと案内してくれた。
太い腕、ここのマスターはボディービルダーかなぁ。
「こんばんは」
「あ、こんばんは」
すでにカウンターの奥に座るお客さんが1人、愛想良く挨拶をしてくれた。二十代後半に見える男性。
マスターはその男性客のことを『ダイちゃん』と呼んでいた。
「お飲み物は何にしましょう?」
マスターのお勧めは何だろう。
「マスターのお勧めをお願いします」
『カチーーカチカチ』
脳で2回目のカチカチという振動があった。
「マーシー、合格です」
『え? まだ名乗ってないのに何で僕の名前を知っているんですか?』と訊くところだった。
僕はカクテル能力者になったんだ。(7ページに解説あり)
カクテルというシステムはこうだ。
★現実世界の1秒を消費して、脳で思い描いた世界へ入れる。
★入った世界では最大100年まで体験できる。
★例え100年を体験して現実世界へ戻って来ても、現実世界では1秒しか経過していない。
★1人の脳内へ複数の人が入れる。
★複数で入る場合、その世界全体を見渡せるオペレーターを立てられる。
★複数人で入った場合、全員の脳の擦り合わせが起こる。
★1度でも見た人間はカクテル世界にてコミュニケーションがとれる。
★カクテル能力者同士はお互いに能力者だと分かる。
◆
『カチーーカチカチ』
『カチーーカチカチ』
僕は早速1人で自分のカクテル世界へ入り、戻って来た。
カクテル世界へ行ってお互いの自己紹介をし、
その世界でマスターとカクテルの質疑応答をし、
スマホを遣ったSOSの『・・・ーーー・・・』が無くともカクテル世界へ行き来できる話を聞き、
ダイちゃんとも仲良くなり、
男しか居ない悲しい王様ゲームで負けまくり、
テキーラの連続一気飲みをして記憶が飛びそうになったから現実世界へ戻って来た。
その間6時間。
マスターが目を見開き言った。
「へー、マーシーはIQが150もあるのか。東大生の平均が120だから、かなり賢いね。カクテルを会得して直ぐに活用したし、凄い応用力だ!」
ーーそうか! 今この瞬間、マスターもカクテル世界へ行き、既に僕の情報を得たんだ!
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる