20 / 71
0005 宮崎 ミレイ
20ページ
しおりを挟む私の初恋は月並みに保育園の保母さん。
月並みじゃないのは、私が女であること。
心も女よ。要はレズなの。
小さい頃の記憶はあやふやだけど、思春期には悩んだわ。
なぜ女が女を好きになるのか。
今でこそ、東京都渋谷区などで同性パートナーシップ条例ってのがあるけど、昔は悩んだわ。
カクテルという不老不死の世界を知ったきっかけは、個人でやるネット通販で、美容系のDVDを販売したから。
今は34歳になるけど、若い頃は六本木や渋谷を歩いてるだけでモデルのスカウトをされたから、自分に自信があったわ。
思春期には自分でもモテることに気づき出し、今では自分自身が大好き。
私は体が柔らかい体質なの。
普段からストレッチなんかしなくても、床にペターって180度の開脚が出来てしまう。
食べても勝手に痩せる体質だし、身長も高いし脚も長い方だから、モデルを夢見る女の子向けに、身長が伸びるDVDを販売した。
強調したのは、『脚が長くなります』ってね。
自宅でカメラに向かって楽しそうに開脚したヨガを録画して、売るDVDの量産は中国で安く出来るから、1万枚作ったの。
3枚しか売れなかったわ。
せっかくDVDでヨガの呼吸法も説明したし、20歳を過ぎても身長が伸びるとでっち上げたけど、商売は甘くないわね。
でもね、その3枚のうちの1枚を買った人から連絡があったの。
「ミレイさんは美人だからうちの会社で美容系の仕事をしませんか?」ってね。
驚いたのが、世界のトップ企業100に掲載される『財善グループ』からのお誘いよ。宝クジが当選した気分だったわ。
DVDで赤字の私はその話に喰いついた。
待ち合わせた都内の財善グループの自社ビルに入ると、テレビでしか観たことのない財善さん本人が居たの。
財善グループの新しいプロジェクトのリーダーとして選ばれた。
嘘みたい。
美容系のプロジェクトで、肌が若返るマシーンの試作品があって、あたしはそのマシーンの使用を勧められたわ。
売る立場になるから、私のインチキDVDじゃないし、試すでしょ。
日焼けマシーンみたいなカプセルだった。そこに寝転がったわ。
そしたらねぇ、カクテル能力者になったの。
脳で響いた。
◆
『カチーーカチカチ』
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる