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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

40《回復薬》

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ここはランクアップクエスト会場にある、少し広めの控え室である。

茶色い長い髪がたまに当たるのがこそばいが、まぁ快適だよな~やっぱ赤ちゃん最高だわ。

ちなみに俺はもちろん、3回戦を終えて待機中なのだがな、座るリズの膝の上で抱っこされてるって訳だ。

「なでなで、ぎゅ~~気持ちいいですか団長?」

「グッジョブ!」「グッジョブ? ですか?」
ついネット用語出しちまったわ。
まぁ俺の事はいっそいいとしてだな、今は俺の目線の先でおもろい事やってるな。

「ふぇぇ!? みっみなさん謝らないで下さいですぅ~!!」

慌てて……あっ転んだ。
あの少し抜けてる感じのロリロリ、まぁミルクだな。
戦闘が終わるなり、魔力不足が原因でさっきまで気絶してたんだけどな。
目が覚めると冒険者共のほとんどがああやってミルクの元に集い今までの非礼を詫び出したって訳だ。

……あのミルクの性格からして、これはある意味罰ゲームに近いのかもなぁ。

たぶんいじめぐらいに思ってるかもしれんな、ふえぇ~とか言いながら、顔真っ赤にして今にも泣きそうだ。

そろそろ助け舟出してやるかな?

「おーいお前ら、その辺でやめてやれよ~」

ギルドってのは会社で、団長である俺は社長みたいなもんだからな、鶴の一声だ。

「はい!!」という声と共に、謝罪はストップされた。

「まぁ、今回で分かったと思うが……回復魔道士ってのは、基本攻撃しない職だけどかなり優秀で重要な役割を担ってる、その事は熟忘れるなよ?」

「はっ!!!」っと、本当にこいつら素直なんだよなぁ。

まぁ素直ゆえにあの馬鹿団長の考えを間に受けてたって考えられるが……正直ものは馬鹿を見るって言うんだっけこういうの?

「さて、次の試合はとうとう準決勝、これに勝てばここにいる全員がうちのギルドに入れる事になる、そしてまぁ……次は俺も少しは手助けするつもりだが、相手は今大会の優勝候補だ、誰一人サボることは許さん!! 気張っていくぞ!」

「はっはい!!」
団長らしいセリフ言ってみたかっただけだったりするが、ちょっと気合を入れてみた。

「……ファイアリー・ハートには痛い目見てきたからな、今度こそ勝ってやる」
「最近やばいやつが入ったらしいぞ」
「それは初耳なんだが、どんなやつなんだ」

入れてみたものの、なんか因縁でもある相手なのか? そもそも気合いは入ってるって感じかぁ

「なぁリズ、次の対戦相手はどんなとこなんだ?」
気になるので尋ねてみた。

「はい、次の対戦相手ファイアリー・ハートは、火属性魔法を扱う剣士が団長を務めるギルドです。ギルドメンバーはその団長の行う凄まじい特訓に耐え、かなりの強さを誇っています。
サウザント・ライス、つまり元々私達の居たギルドは、何度も依頼が被っては……全てを向こうに先を越されてたんですよね」

ふぅん、つまり商売仇って訳かな?

にしても、火属性魔法を扱う剣士かぁ、魔法剣士ってことだよな? つまり……ふむ。

「よしお前ら!! 次の試合……俺が団長倒すから、周りだけよろしく頼む事にするわ」

「!? 団長殿が直々に!?」

まぁ驚くのも無理はないわな。
なんせ俺……こいつらに戦わせてから、ずっと女の子に抱かれてただけの赤ちゃんだったし……

「まっ俺も団長らしいとこ見せとかないとだしな、その代わり……取り巻きなんかに負けんじゃねぇぞ」

はい!!! という、響く返事。

ピンポンパンポーンという音の後、アナウンスはなり始める。

「では、準決勝を開始します」

気合を入れる冒険者達、まぁ今はギルメンだな。
「じゃあとりあえず行くけど、行く前にこれでも飲んどけ」

俺はそう言って異空間収納からアイテムを取り出し、控え室にある椅子に並べた。

あっ……別に変なもんじゃないからな、こう見えてスポーツマンシップとやらに乗っ取るタイプで、こういった真面目な試合では強化薬には頼らない素晴らしい団長です!

なのでまぁ提供する物はつまらない粗品。

「こっこれ!? まさか……エリクシール!?」

ん? まぁ近いっちゃ近いのか? でもそんな高価なもん、数千個は持ってるが使うわけないだろ。

「いや、これは俺の調合魔法で作った、ポーションだぞ? 体力と魔力を全回復するから飲んだ方がいいと思ってな、さっきの試合で結構消耗したままだろ?」

これなら無限近い数持ってるからな、調合Lv上げるために……素材集めに勤しんだ毎日が懐かしいな。

「それってエリクシール……」

「ん? 飲まないのか?」

「のっ飲ませてもらいます、ありがとうございます!!!」

ふむ、さっさと飲めばいいのに……いちいち遠慮するとか、律儀な奴らだよなぁ

「さて、全開したやつから……いくぞ!!」

回復薬を飲み、全回復した俺たちは、意気揚々と準決勝の会場へ足を運ぶ
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