最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子

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双子のギルド大会

3-16『カリバーンーお祝い』

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とりあえず本戦への出場が決定したので、とっとと予選会場はお暇させてもらった。
(完全に注目されてしまったな)

報告しにギルド受付へ。

いつもやたらと賑やかなギルド、なのに今日はおかしい。
(話し声が聞こえない?)
転移してすぐから煩いなーといつも思うのだけれど、まるで葬式?でもしてるのかってぐらいの静けさだな。

「みぅ、みぃ……構えとけ、ドアを開けてすぐに来るぞ」
木製の向こう側が見えないドアだが、僕には見えている。無数の魔力がドアの前を埋めつくしてる様子が。

「……?はっはい」「にゅ?わかった~」
2人は不思議そうにしてるが、僕に言われたのでとりあえず構えたようだ。

ドアを開けた。

「……!?」攻撃に移ることはなく、その場で硬直。
みぃとみぅは一瞬攻撃に移りそうになったが、僕が魔力で待ての合図を送ったのでその場に留まった。

ドアを開けるなり発砲されたような破裂音が無数に炸裂したのだ、普通に驚かない訳が無い。
(……物理感知で見ておくべきだったな)
まぁなんとかみぅとみぃがそれらを皆殺しにする前に気付けて良かったと思うよ。

「おめでとうーーー!!!!!」
さしずめありがとーって返すべきなのだろうが、みぃとみぅに今の現状を理解しろって言う方が難しいというものだな。
2人はきょとんとした様子で、にこやかに祝うギルドの人達をポケ~っと見ている。

そしてギルドカウンターを飛び越えるという、絶対したらダメだろって人が飛び越え、猛ダッシュで2人に抱きつく。

「みぅちゃん!!みぃちゃん!!おめでとう~~!!このギルドで久しぶりの快挙だよ!!それにあんな強かったなんて……ほんっと~にかっこよかったよー!!!!うりうり~」

あんた本当にギルド受付の人か?と言いたくなる程、この人は2人を溺愛してると思う。
(……あれはカッコイイじゃなくて、普通の人は怖いって思うものなんだがな~)前世の僕だったら、あんな化け物見たいなの見せられたら避けると思うしな。というか逃げるわ普通に

「みぃねぇね、これってなぁに?」
「んーたぶんだけど、お祝いってのじゃないのかな?」
「……お祝い!!たこ焼き食べれるかな!!」
「ほんとだ!ご主人様にお願いしよ!」
(……2人だとみぃもだいぶ子供っぽい会話するよな……まぁ今日もたこ焼きぐらい食わせてやるか)

この後ギルドのお祝いって奴に長々と付き合わされた。

お祝いとはいえ、まぁいつもと変わらないギルドの賑わいだな、一つだけ違うとしたら、ギルド受付のお姉さんがいつも以上に僕たち3人にベタベタしてきたってことぐらいか……まぁこのお姉さんにはいつも思うよ。
(ごちそうさまでした)僕は満足である。

家でまたまたたこ焼きパーティー、2人は相変わらず食べまくる。というか前回よりもかなり食べた。

そして満足し、今日はゆっくり眠りに落ちた。
(やっぱ疲れてたんだな~)
とはいえ、あんな大乱闘を繰り広げたというのに最終的にこの2人は無傷だったから恐ろしいものだな。


☆☆☆☆☆


すぅすぅと寝息を立てる2人は朝になるまでまず起きることは無い。

宿は正直防犯はできてないと思うので、夜に家を出る時毎回行うのは2人を囲うように結界を貼る作業。
(これでよし)
僕の結界は特別性、僕、みぅ、みぃ、3人しか出入り不可能な物魔無効化結界である。
まぁ子供を預かる身としては、流石に女の子2人家に置いて~なんて、不用心なことは出来ないからな?

そんな僕が向かうのは、いつもは冒険者ギルドなのだが今日は少しばかり違う用事だ。
なので成長で大人になり、魔法を唱える。
『転移』

今回の予選会場に現れた謎の老人、実はあれかつてギルドを追放されたという人物だったらしく、そこのギルドが今回の大会に勝ちたいが為だけに新入冒険者として迎え入れていたらしいんだ。

まぁそんなことは正直どうでもいいのだが、今回僕が興味を持った理由は、追い出された理由。
強い冒険者を所持してる方が何かと良いとされるギルドが、わざわざ王級冒険者を追放したなんて気になるのは当たり前だろ?

でまぁ、コロシアムで聞こえてくる噂話を聞いてたところ、ドンピシャもいいとこだった。
どうやらあの老人、元魔王の配下という過去があったらしく追放されたという。

なので僕が来たのはここである。









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