最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子

文字の大きさ
上 下
60 / 78
双子のギルド大会

3-07『カリバーン西ー完敗』

しおりを挟む

ステージの端からみぅを援護する形で、アイスニードルを何度も放っていたみぃ。
(そういや魔力は大丈夫なのか?)とか思ってた時代が僕にもありました。

僕はみぅの動きに集中せざる負えなくて、ついついそっちに気が回ってなかったからそんな事を考えてしまったんだ。

(くっそー!!こっちもかよ!!)

成長するのはみぅだけでは無い。

みぅは咄嗟の思いつきにより進化するタイプだから、突然強くなるがみぃは違う。
(最初からこの為に練習してやがったのかよ!!)

対して得意属性でもないみぃのアイスニードル。

装備による加護も少なく、なんでだろ?とは思ってたが、みぃが氷魔法の練習してんのかな?って思ってたんだ。

(あーもう!!)どうやら全く違った。

みぃは少しづつ、そのニードルを増やしてたんだ。

場の場外、先程僕が放った無!という、魔法を完全に消し去ってしまう最低な魔法を見たみぃ。
だからこそ計算をしたんだろう。先程僕が放った無効化の範囲とその発動時間。
(まぁずっと発動出来てしまうが、それだとみぃの修行にならないから……5秒は溜めるようにしてたんだけどな)

魔力感知で確かめても数は流石に数え切れない。
ただ、ずっと一定周期で僕目掛けアイスニードルを放っては、その氷を捨てること無く場外で待機させて行く。

(ん?待てよ?あれって……えーと?)

僕は一応魔法が使えるから、魔法わ空中で待機させる方法は心得ている。

魔法を常に意識し、そこに待機させるだけ。
簡単に聞こえるだろ?けどな……これ、僕は魔法の待機なんて2つが限度だ。
(……天才にも程があるだろ!?)
つまりみぃがしてるのは、戦闘中、僕の隙をついてアイスニードルを放ちつつ、辺り一面、無数に待機してる氷一つ一つに意識してるってことだ。

(目が100個ついてても出来る気しねぇ!!)

けれどあんな事をしたなら攻撃をされても避けることは出来ない。と思ったが、今の現状を考えれば、みぅの猛攻によりみぃは攻撃を仕掛けられる状況ではない。
そして僕に飛ばしてるアイスニードル、つまり他の魔法に切り替えて自身を防衛する事も可能って訳だな。
(精密機器……)性格は違うと分かってても、戦うとやはりそう思わざる負えない。

そして、とうとう天まで氷が埋まり、みぅも完全に新しい技に慣れた頃、僕を仕留める準備が整ったようにみぃは魔力を溜めている。
(んーと?まさかこんな状況で魔力練れるんですか?)


「『双水龍撃』」
やーめーてー……はっきり言おう。(お手上げだな)

右往左往、天からも時間差で降り注いでくる氷の刃の雨。
そしてそんな中自由自在に飛び回る2頭の水流、しかも常に集中していないと避けることすら不可能なみぅの連撃。

(この2人のチームワーク恐ろしいわ)

みぅはみぅで、みぃが行動に出た事を把握した途端、足から放つ魔力を炎に切り替え、加速をさらに上げている。

とまぁ分かるように、僕はもう避けれないし「『無!』」魔法を一旦消し飛ばしても、みぃの修行の為に敷いた5秒というロストタイムがあるので、どうしようもなし!

(全て受け止めようではないか!)

という訳で、魔法無効化を放つや否や一気に襲い来る氷の刃の嵐と、2頭の水龍、そして隙が出来たと判断するや魔炎撃を放つみぅの一撃。とりあえず全部喰らって見ました。


炎と氷と水がぶつかったことにより、沸騰した霧が僕から破裂。

「にゃ!!!いくと!!!!」
「ごっご主人様!!!!」
2人は楽しくなってて完全に本気だったんだな。現状を見て慌てるように僕の元へ走ってきた。

何も見えなくなった真っ白な景色の中、僕はため息を零した。

「はぁ~まさか、たった2時間程度でやられてしまうとはなー」

とまぁ、声が聞こえたからだろう。ほっとした様子の2人である。

「にゅ~でもいくとは攻撃してないから……」

「みぅ?ご主人様が攻撃してきたら、練習じゃなくてみぃ達は死んじゃうよ?」
(みぃさん?少し言い方が過激ですよ?)

並ぶ2人、霧が晴れるのを待ってるのだろう。
(脅かしてやろっと)
冒険者ギルドで腐る程見てきた魔法、流石に魔力の流れを覚えたからな。「『転移』」

既に転移はお手の物で使える様になりました。

2人の背後に転移し、2人の頭に手を当てる。

「よしよし」とまぁ、もうそこに居ない僕を見てた2人の頭を撫でたんだが、「にゃーー!!!!」「ふぇ!?」
まさか、みぅが怒って、みぃがこんな声を出すとはな。
(いいもん見れた)なんだか僕に見せない素の一面を見れた気がする。

「にゃ?……いくと!!?」

「ご主人様!?」

「ふふん、まだまだお前達には負けてないな?」

まぁ2人は楽しんではいただろうが、僕と敵対するって事に慣れてなかったんだろう。
気が抜けた途端2人とも泣き出してしまい。泣き止むまで押し倒されるわびちゃびちゃに涙で濡らされるわ大変だったよ。
(……結局、涙に勝てるものは無い!ってことだな?)






しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する

影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。 ※残酷な描写は予告なく出てきます。 ※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。 ※106話完結。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

処理中です...