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双子の冒険者
2-24『東の街道ー先輩』
しおりを挟む今日も今日とてクエストにやって来ている僕たち3人。
最近少しづつ暖かくなってきているのか、真っ白だった筈の地面からぴょこんと緑色の元気な草木が覗き始めている。
がたがたと揺れる馬車の上、みぃに抱かれ後列の荷車の上でぼーっとしてる。
(ふぁ~ねむ)
今日はとても晴れた良い天気、寒い冬だけれどこう日差しが暖かいとみぃの体温のせいもあり眠たくなるよな~
(赤ん坊ってそもそも寝るのが仕事だっけか?)
良く考えれば、僕って1日5時間ぐらいしか寝てないや。
「にゃんにゃんにゃにゃーん♪」
相変わらず陽気ですねお嬢さん、けどあなたは少し気をつけないと本当に迷子になりかねないので気をつけてくださいね?
足をぶらぶらさせるみぅ、空は青く澄んでいて、空気はとてもおいしい(平和だな~)
僕達は今、ギルド依頼の護衛をしている訳だな。
☆☆☆☆☆
魔物の襲来はよくある事だ。その為に冒険者は雇われているのだが、今回僕達が戦うことは無い。
「にゅ~暇~」
まぁみぅには悪いと思うが、今回の依頼で僕たちに課せられてる仕事は、馬車の護りと魔物討伐により傷を負った先輩冒険者の治療である。
「にゅ、にゅ、にゃー」
あ、ちなみにみぅもただぼーっとしてる訳では無いぞ?さっきも魔物『ゴブリン』の襲撃にあったので討伐に向かい怪我をした先輩中級冒険者の治療を行っているのだ。
(僕を抱っこする手が面倒くさそうだな)
みぅはそれっぽいポーズだけを取り、実は抱かれてる僕が回復魔法で治療している。
みぃの役割は水魔法で馬車まで辿り着いた敵から馬車を守る役割、こうやって緊張感のある水の扱いは中々に修行になってると思うな。
治療も一段落したのでまた馬車は進み始める。
(中級クラスの依頼を受けれる冒険者って割には、大した事ないよな~)とはいえ、みぃとみぅよりか少し強い感じはするな。
荷車にのる僕達とちがって、待遇のよい扱いを受け客席にいるのは3名の冒険者である。(品定めするようにこっちを見るなよなー気持ち悪い)
「あのみぅって初心者冒険者は、下級に置いとくにはかなり惜しい位の回復魔力を秘めてるよな」
少し生意気にみぅを見てる奴がいる。
名前/ロイヤル・レールマン
黒髪で屈強なガタイをしたいかつめの男。パッと見は静かで強そうな感じはするが性格はあれだな、人を見下してるというかなんというか、常に自分の立場を当てはめて人と話してる様なきがする。(口を開けば雑魚に見える)
「そうかな?僕はあのみぃって子を推薦するよ、取り逃した2匹のゴブリンから馬車を守った護りの水を見ただろう?あの子は実力的には中級冒険者に引けを取らないよ」
ちらちらとみぃを見る男。
名前/オーソン・バドエロ
金に赤が交じった髪色の男、どこぞの貴族なのだろうやたらと金装飾を身に付けている。
服装もやたらと煌びやかな外見だな。
(ぼんぼんって奴なんだろなー)
「そんなことばっかり言って!どーせ女の子目当てなんでしょ?少しは今日の護衛の事考えたらどうなの?可愛い女の子が一緒のクエストになったってだけで鼻の下伸ばしてさ、いつもみたいにちゃんとしたら怪我だってしてないでしょ!」
しっかり者のお母さんタイプ?な女の人だな。タイプじゃない。
名前/アリー・リートム
青髪の女の人、顔は~人間って感じ……つまり普通だな。
口ではみぃとみぅの事を気にかけてる感じだが、たまーに睨んでる感じを見るに、この女は男のどっちかに好意があって、美少女である2人を近づけないって感じだな。
(安心しろ、うちの2人をそんなモブAモブBとお近付きにさせるつもりは無いからな)
むしろ2人の男とハーレムでもしてたらいいと思うわ。
☆☆☆☆☆
「にしても、今日は平和だな」と先輩冒険者さんが言っている。
「そうだな~いいとこ見せるには、相手がゴブリンじゃな~」
そのゴブリンに怪我させられてるのによく言うよな。
「平和なのはいい事じゃ……ない!?」
「おわ!?」「ぬあ!?」
会話する2人にドーンと腕組みするように横入りする女冒険者、多分これあれだな。(2人狙いか……)修羅場は見てみたいがうちの2人には少しばかり教育に悪そうだから御遠慮して貰いたいな。
あっちなみにだが、今日が平和?ってのは違うんだな。
盗賊の群れが度々こっちへ向かってきてるのを魔力で感知はしてるから、そっと風魔法で吹き飛ばしてるだけなんだ。
(今日はうちの2人は戦えないし、みぃの守の修行にはまだまだゴブリンで事足りるからな~)
というか、あの盗賊の群れ相手だとこの先輩方直ぐに死にそうだし、うちの2人でも少ししんどそうだから……流石に馬車主に僕の正体もバレたくないし仕方ないだろ?)
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