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双子の冒険者
2-15『カリバーンー調味料』
しおりを挟む「いらっしゃい!何をお求めだい!?」
ゴブリンを討伐した事により、それなりのお金を手に入れた僕達3人は買い物に来ている。
「確か……お塩と、お砂糖、醤油に、みりん?、それから……」
流石のみぃも一気に大量の調味料の名前は覚えられないようだな。
(僕が買えたらいいけど……赤ん坊の振りは大変だな~)
まぁ、僕を抱いたまま困った様子で僕をちらちら見てるみぃを見てたら癒されるしいいかな。
「はいよ!お待ち!」
困ってたとはいえ、やはりみぃだもんな。頼んだ調味料の名前を全部思い出し注文し購入。
「みぃねぇね!みぅがもつよー!」
「うん、ありがとう」
後ろからひょこっと出てきて、おじさんの手渡してきた荷物をみぅが持つ。
そして買い物も終えたので裏路地へと移動した。
「んーと、胡椒、みそ……それから、うん確かに全部あるな」
「はい!!」
「よくやったな、よしよし」
褒めて頭を撫でると照れてるのか頬が少し赤く染まるみぃ、なんか精密機械とか思ってごめんなさい。
「にゅ~」
ヤキモチですね?「みぅもお姉ちゃんのお手伝いできて賢いな」こっちは撫でると「えへへ~」声を出して素直に喜ぶ。
魔力感知。周りに人が居ないのでこのまま異空間収納、調味料は全て収納した。
「これで今回稼いだお金の殆どは無くなったなー」
「はい、依頼を達成するとお金が手に入り、こうして欲しい物の購入に当てればいいんですよね?」
(もうすこし子供っぽくなりましょうね?僕の唯一持つ大人知識を奪わないで!!)
と、冗談は置いといて、みぃは本当に頼りになるよ。あと数ヶ月もしたら僕は必要なくなるかもな。
「んーまぁ基本はそうだが、お金ってのは欲しい物を買うだけが使い道じゃないんだぞ?今回は冒険者ギルドから宿を1週間無料貸し出しって、冒険者登録キャンペーンを利用するが本来ならば宿を借りるのにもお金が必要なんだ、建物に入るだけでお金がかかる場所もあるだろうし、欲しい物の購入ばかりでなく、貯めるのもお金の使い道って考えたらいいぞ」
(僕今絶対かしこい大人っぽいこと言ったわ……)
「はい!!」
みぃのこの僕を一直線に見る眼差しのせいで、馬鹿なことを考えた自分が恥ずかしくなるよ。
「お金、えと…かう?むりょー?たてもの?ふぇ??」
自分の指を建てて、よく分からないことを詠唱してるあの子が本来、学校に行ったこともない10歳の子供の姿だろうな。
☆☆☆☆☆
昼に到着した街、冒険者登録して、そのまま依頼を達成しにいって、報酬受け取って、買い物なんてしたらまぁ、もう結構遅い時間である。
(この街に夜は無いのか?)
そう思う程に、現在21時頃だと言うのに、露店が閉まる様子がないので驚きの街だよな。
(裏通りは閉まってるのにな~)
という訳で裏通りを進み、冒険者ギルド専用の宿へと向かう。
この街の特徴そのままのRC構造の建物。
コンクリート剥き出しの鉄筋コンクリートで出来た建物である。
(普通壊すなら重機が必須だけど、魔法なら破壊できるのかな?)
試すとそのまま逮捕されそうなので試さないけどな?
宿とは名ばかりで、冒険者ギルド専用の宿は賃貸に近そうな扱いだと思う。
冒険者ギルドで渡された部屋の鍵、あともう1つ渡されたマップを見ながらここに来た。
「……ご主人様……」
「あっ知らないよね……なんかごめん」
5階建ての建物の1番上の端部屋、何故かそこまで到着したというのに部屋の前に立ち止まるからなんだろ?って思ってたのだが、鍵を僕にみせてきたことから開け方が分からないようだか。
入口のドアは鉄扉、鍵は普通に差し込んで回すだけ、そしてドアノブを回せば開く。
僕達からしたら当然の常識だけど、ねこのこ族の2人からしたら初めて見るそれは本当によく分からないものなんだろう。
「……ここに刺して、こっちに回して、カチャッと音が……」
口に出して僕に再確認しつつ、そーっとしてる姿が面白い。
(爆弾仕掛けられてるみたいだな)みぃなりに頑張ってるんだから笑ってはいけない。
かちゃんと音が鳴る。
「……!!」ビクって驚いた、可愛いなーもう!!
「みぃねぇね!!後でみぅもする!!みぅもーー!!」
「うっうん、後でみぃが教えるから待っててね」
「わーい!!」この子は相変わらず子供だな。
そして、ドアノブに手を当て、ギュッと回すと……
「ご主人様!!開きました!!……はぅ……ごめんなさい」
(嬉しかったんだな~興奮したからって謝ることは無いのに)
「よしよし」
(まぁ性格を強制するなんて大それたことをするつもりは無いし何も言わないだけどな?)
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