最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子

文字の大きさ
上 下
12 / 78
双子の天災児

10『神獣の森ー迎撃』

しおりを挟む

「はぁ…」ため息が出る。
(所詮、知恵ある生き物はみんな人間と変わらないわな~)
この2ヶ月、あの二人を見てたせいで僕はどうやら勘違いしてたみたいだ。
(話し合いでなんとかなる?……馬鹿か僕は……前世で何を学んできたんだ?所詮数、1が多数に対して何を言っても通じないのが言葉、異世界に来てまで再確認させられるなんて嫌気がさすな)

なのでまぁ、する事は1つ。

(とはいえ、前世で学んだのは……もっと汚いものもあるんだよな~)
使うまいと思っていたものだが、この際仕方ない。
みぅとみぃには世話になったしな……この無駄に強そうな力を使って悪者にだってなってやろう。

「ぐはははは!!お前達は勘違いをしているようだな!!」

僕の考える1が数に意見を通す方法、それは……悪の存在である。

結局の所、数が恐れる者を1が押さえ込んでたとする。ならば数は1の事を認める事となるのはこの世の理。
悪を作ればいい、あの二人が辛い思いをしていたのは知っている。だから出来ることなら仲間同士に戻してやりたい。

(僕は悪者……悪者ならどうする?)
前世で散々してきたゲームを思いだす。そして考える悪者の行動といえばこれである。

とりあえず足がぷるぷるしてやばいので、浮遊を使って浮く。
前に1度試したものだが、案外楽に行う事ができる。
(スキル画面からONにして考えるだけで浮けるってよく考えたら凄いよな)そして予想通りねこのこ族達は驚いてる。

それに浮いた途端飛んできたのは矢。
(マジで殺す気だったのかよ!?)
正直飛んできた時は「ひぇ!?」なんてきもい声が出たが、バレてないようでよかったよ。
物理による攻撃は無効化、知ってたにしろやっぱ初体験は誰だって怖いものなんだろうな。
(大人になった気分……)変な快感を覚えた。

とまぁ、冗談言ってる暇はない。
悪者といえば威厳、威圧、それっぽいセリフ、とりあえずさっきのひぇ!?は聞かれてないので続ける。

「双子のねこのこ族は恐怖に侵された!!そのおかげで双子のねこのこ族による封印は弱くなった……我は、ねこのこ族を絶滅させるもの!!今こそ力の封印が解かれる時~~!!」
(くそっ!!最後のセリフがなんかダサくなった!!)
なんてことを思いながら、空に手を向ける。

そして、本気を出したことは無いができる限りどこまでも大きな想像をして言う。


「『炎!!!』」


…………………………………………………

「へ?」
ごめんなさいまじで予想外です。

脅すだけのつもりで想像した魔法。
天に掲げた掌の先、とんでもないサイズの炎球が完成していた。

ぐつぐつと煮えたぎる溶岩、黒いドロドロした何かが球体となって現れた。
火柱がぼぅっと飛んでは、その球体に重力でもあるように戻っては出てを繰り返している。

そしてまぁみぃとみぅと仲良くなってもらうために出したというのに、ねこのこ族の皆様は一目散に逃げたのか炎の球を見てる隙に1匹もいなくなっていて、現状1人となっている。
(意味ねぇ~……ていうかこれ、どうやったら消えるの?)

先程から消すイメージを想像するが全く消えないという、本当に迷惑極まりない魔法だと思う。
(……火だろ?なら水で消えるだろ)
と、思ったので「『水!』」出してみた。

「どうしよう……」
さっきよりでかくなった。
(いっそ、○○玉~って言ってぶん投げてみよかな……いや、絶対森が焼け野原になるよな?)
という訳で、詰みました。泣いていいですか?

(……まぁでも仕方ないよな~)
いつまでもこんなの持ってる訳にもいかない。
なんせ水を与えてからどんどん大きくなってるのだから危ないとかそーゆー次元じゃ亡くなったと思う。

なので魔力感知を使い辺り一面の魔力反応を探す。

「……こっちだな」
1方向のみ魔力の反応を感じない、のでそろそろ腕も吊りそうなのでぶん投げる事にしよう。


☆☆☆☆☆


(せーので行くぞ……せーの~で~……無理!!)
あれから数分経っている、僕はこれを投げれずにいる。

一応消そうと試行錯誤もした、土をまぶせば消えるんじゃね?という安易な考えでさらに膨張、水でダメなら氷だ!とかやってみたらさらーに膨張、もう今は諦めている。

(核ミサイルのスイッチ持ったらこんな気分なのだろうか……)
経験することがないであろう気持ちを理解した気分だ。



しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する

影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。 ※残酷な描写は予告なく出てきます。 ※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。 ※106話完結。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

処理中です...