7 / 78
双子の天災児
05『神獣の森ー生活』
しおりを挟む異世界転生して、猫の獣人にお持ち帰りされてから1ヶ月程経とうとしていた。
「赤ちゃん歩いた」
「可愛い」
日々のトレーニングの結果、はいはいを通り越し二本足で経つことを可能とした僕は天才だと思う。
☆☆☆☆☆
転生した日からの毎日、とても辛かった。
「人間は水で洗わないとダメ」
と言う、姉のどこから知識なのか妹はそれを実行。
(冷たい!!死ぬ!!!)
そして実行した後に必ず修正される。
「水を熱くない程度に沸かさないと駄目だよ?」
「人間の赤ちゃんは毎日ぎゅーしないとダメ」
と、またよく分からない知識、妹は実行する。
(くるしーー!!!死ぬからやめて~ー)
そして再び修正が入る。
「赤ちゃん弱いから……強くしたらダメだよ?」
「人間の赤ちゃんは暑いのが好き」
と、姉のとんでも知識。
(へ!?どこに入れるつもりだ!?)
今回は流石に行なわれる前に修正された。
「竈にいれたらお肉になっちゃうから、体温で温めないと駄目だよ?」
と言った感じに、日々の訓練というよりも、日々の拷問から逃れる為に歩く事が早々と可能になったようだ。
(これが生命の進化ってやつか……)
☆☆☆☆☆
ここ1ヶ月で分かったことがある。
どうやらこの2匹の他にも沢山この種族は居るようだ。
わかった理由としては、まぁ毎日突然聞こえてくるこれだ。
「忌み子はされ~!!!神獣の森から出ていけ~!!」
選挙活動か?とか思ったがそうで無いのは一目瞭然、この暴言が響き渡ると必ず僕を抱く妹が震え、姉は妹の頭を撫でているからだな。
まぁでも、この暴言のおかげで色々知ることも出来た。
毎日毎日色んな暴言から何となくわかったのがこれ。
1、この種族の名前はねこのこ族であるということ
2、忌み子というのは双子の事でねこのこ族には不吉を呼び込むそうだ。
3、この子達はまさかのそのねこのこ族の族長の娘だということ
4、この森の名前は神獣の森。
5、家の中へは入ってくるねこのこ族は居ないようだ。
つまりまぁ、異世界系でよくある典型的なパターン、双子として産まれたせいで族長に捨てられ、けれど族長の娘という理由で襲われず森にはなんとか住めているという感じだな。
「ふぇ?」
瞳をうるうるさせて僕を見ている妹。
何も喋れないが、この子達には世話になっているからな。せめて頭を撫でるぐらいは……と、頑張ってみたがほっぺたしか触れなかったのが悔やまれる所存である。
「えへへ……ありがとう赤ちゃん、ぎゅ~だよ」
(ええ子達やな~可哀想に)
と、冗談思っているが、結構真面目に可哀想だと思う。
☆☆☆☆☆
あとこの1ヶ月でもう1つ気が付いたことがある。
(世に言う転生者特典って奴だな)
自分の正面から斜め右に常にあるボタン、ポチッと押すと出てきたのはウィンドウ。
転生してから3週間目突入ぐらいで見つけたそれは、赤ちゃんとして転生した僕が死ぬことはまず無い程度には色々ぶっ飛んだ代物であった。
(うん、今更だな)
見たけど見なかったことにした。
なんせ今の生活案外気に入ってるので、こんなチート紛いな代物がなくとも楽しく生活できるのだからな。
ステータス
名前/一才育人・年齢/生後1ヶ月
HP/51・MP/∞
腕力/10・体力/6・素早さ/1
知力/92・精神/203・器用さ/42
魔法適正/10属性/8種類/無限級
性別/男・職業/赤ちゃん
スキル一覧
『勇者の紋章』『物理感知』『魔力感知』『浮遊』『異空間収納』『物理攻撃無効化』『魔法攻撃無効化』『言語理解』
(よく考えたら、産まれたてだった俺に視野がある訳はないわけで、つまり物理感知により見てたって事なんだろうな)
50
お気に入りに追加
1,301
あなたにおすすめの小説

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる